満天の星空、自宅に広がる 大人も夢中「家庭用プラネタリウム」

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   近頃の玩具は「大人が楽しめる」がキーワードになっている。「こんなことができるの!?」という意外性や人に教えたくなる蘊蓄を備え、「オモチャ」の一言で片付けられない本格派の香りをどこかに漂わせているのだ。そうした観点では、発売から2年以上が経過した今も、大人にアピールし続けるロングセラー商品がある。セガトイズの家庭用プラネタリウム「ホームスター」シリーズだ。

共同開発者は、世界一のプラネタリウム職人

白い色の冬季限定版は実売3万弱。本体は手の平に載るサイズだ。
白い色の冬季限定版は実売3万弱。本体は手の平に載るサイズだ。

   「ホームスター」の開発は、共同開発者であるプラネタリウム・クリエイター大平貴之氏の存在を抜きには語れない。小学5年生からプラネタリウム装置を作りはじめ、それから約25年後の現在、その世界における第一人者である。

   現時点の最新作品は、業務用の「メガスターII」。重さ30kgと軽量で「移動式」を謳う。プラネタリウム施設に設置されるほか、さまざまな場所で上映イベントが開催され、さらにコンサートに、テレビ番組の演出にと活躍している。

   2004年からお台場・日本科学未来館で常時公開中のメガスターII3号機「コスモス」は、約500万個もの星を映し出す。星空に奥行きが生まれ、自然で綺麗だと評判で、「世界で最も先進的なプラネタリウム」としてギネスにも登録された。大平氏はそんな逸品を、ほぼ自分一人で設計開発、製作してしまうという。まさに世界一のプラネタリウム職人と言っても過言ではない。

業務用に匹敵する星の数を実現

日本科学未来館のプラネタリウムに採用されたメガスターIIコスモス
日本科学未来館のプラネタリウムに採用されたメガスターIIコスモス

   そんな大平氏の名声に注目したセガトイズが共同開発を要請。快諾した大平氏が「ホームスター」の原型となる原板と試作機を制作した。「プラネタリウムをつくりはじめたのは自分の部屋だった。その意味で家庭用プラネタリウムは原点。是非、形にしたかった」とオフィシャル・サイトのインタビューで語っている。

   「ホームスター」は「メガスター」と同じ基本原理が採用されている。高精度な星のデータを、特殊な装置によって原板に焼き付け、それをレンズで投影する。ホーム版の原板の星は1万個で、さすがにメガスターとは比較できないが、それでも従来の業務用に匹敵する数だという。

ネット通販からヒットが始まり、今冬限定版も

別売りの原板ソフトで、月や宇宙から見た地球も投影して見られる
別売りの原板ソフトで、月や宇宙から見た地球も投影して見られる

   こうして、ドーム型の重厚長大な施設に鎮座しているはずのプラネタリウム映写装置が、家庭に届くことになった。発売前から、ネットのヘビーユーザーである「大人の男」の心をつかみ、Amazon.co.jpなどのネット通販に予約が殺到。年間で10万台以上を売り上げるヒット商品となった。

   現在は、光量を強化するなど改良した「ホームスタープロ」、1万円以下のエントリーモデル「ホームスターピュア」も登場。原板はカートリッジ式で入れ替え可能だが、「宇宙から見た地球」「南半球の星空」といった原板が別売りされている。

   今年の冬は「ホームスタープロ」冬季限定版も出た。カラーは白で、付属の原板が「プロ」より3枚多く、値段もAmazon.co.jpで3万円弱と「プロ」より5千円ほど高いが、それらのソフトを別売りで買うよりはお得な計算だ。

小さな本体が映し出す広大な星の世界

   本体は写真で見るイメージよりも小さく、手の平に載るサイズだ。そこから直径最大2m70cmで広大な星の世界が映し出される。ただ、スクリーンが天井や壁などになるため、多少位置やピントの調整が難しい。

   「部屋を真っ暗にしないとよく見えない」といった感想もネット上のレビューなどでは多い。だが、この商品に興味を持つのは、外が明るすぎて星など見えない都会の居住者が主になってくるだろう。部屋の「外」よりは「内」を暗くする方が簡単だ。

   購入者からは、「そろそろ『ホームスターII』を」と待ち望むファンの声も聞こえてくる。今後どのように展開していくのか、目が離せない商品だ。

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