自宅のコンセントで5~6時間充電すれば、東京駅から熱海の温泉までドライブできる――そんな夢のような電気自動車が、東京のベンチャー企業「オートイーブィジャパン」から本格的に発売された。車名はイタリア語でひまわりを意味する「ジラソーレ」。小さな会社の大きな挑戦だ。
1kmあたり約1円!ガソリン車の10分の1以下の「燃費」が魅力
2人乗りのかわいい車体。だがトランクルームは350Lと結構大きい(写真はオプションのハッチバック装着車)
全長2345mm、全幅1260mm。トヨタ・カローラのほぼ半分しかない。二人乗りのキュートなデザインは一見ゴルフカートのように見えるが、法律上は立派な軽自動車で、公道を走行することができる。
最大時速は65km。高速道路こそ走れないが街乗りには十分なスペックだろう。加速も時速40kmに達するまで3.1秒と2000ccのガソリン車並だ。坂道で加速するためのブーストスイッチも用意した。もちろん100%電気自動車だから空気をいっさい汚さない。
そんな「ジラソーレ」の一番の特長は、家庭用コンセントを使って充電できることにある。フル充電に要するのは5~6時間。昼間たっぷり走っても、夜、コンセントにつなげば朝には充電完了だ。まるでケータイのように手軽に簡単に充電できてしまうのだ。
ちなみに電気代は、1回のフル充電だと深夜電力契約を結んでいる場合で約100円、通常の昼間料金でも130円前後で済むという。これで最大120km走ることができるというのだから、燃費は1kmあたり約1円の計算になる。
ガソリン車が1リッター(150円で計算)で10キロ走れるとすると、1kmあたり15円。「ジラソーレ」が2人乗りという点を差し引いてもその差は歴然だ。原油高で高騰するガソリン価格を考えれば段違いのローコストになる。