野坂昭如さん
2015/12/10 11:14
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直木賞作家の野坂昭如さん死去 「火垂るの墓」
「火垂るの墓」などで知られる作家の野坂昭如さんが2015年12月9日、亡くなった。85歳だった。神奈川県鎌倉市出身。実父は後に新潟県副知事になるエリートだったが、生後間もなく養子に出された神戸市で空襲にあった。1967年に「火垂るの墓」「アメリカひじき」で直木賞受賞した。疎開中に妹を亡くした自身の戦争体験にこだわり、「焼跡闇市派」を自称、一方で歌手やタレントとしても活躍した。
作詞家としては63年、「おもちゃのチャチャチャ」の第5回日本レコード大賞童謡賞。歌手としては69年にレコードデビュー。「黒の舟唄」、「マリリン モンロー ノーリターン」などのヒットを飛ばした。作家としては「エロ事師たち」などでも知られ、73年には、編集長を務めていた月刊誌「面白半分」に掲載した「四畳半襖の下張」(永井荷風著)について、刑法175条「猥褻文書の販売」違反に問われた。