持続的な医薬品イノベーションのために必要なことは?
今後、日本における早期臨床開発も強化していく。日本国内に「クリニカル トランスレーショナルリサーチ ハブ」を設置し、約50人の人員を増員。人に対して初めて投与する試験「ファースト・イン・ヒューマン試験」および早期臨床試験を拡大する。そのほか、アカデミアとのパートナーシップなども強化する。
また、医薬品の安定供給も推進する。進行がんの画期的な治療法である「放射性リガンド療法」の生産力を強化するため、兵庫県丹波篠山市にある「篠山工場」に1億米ドルを投資した。プリシーノ氏は、「放射性リガンド治療をメイドインジャパンで品質高く供給できるようにしていきたいと考えている」と説明している。
プリシーノ氏は、持続的な医薬品イノベーションのためには、日本政府による規制改革や薬価政策が必要だとも指摘。とくに薬価政策については、「イノベーションが対価を受けるような形にするべきだ」と説明した。また、「官民対話」にも積極的に参画するとし、「政策側との対話を続けたい」とした。
最後に、プリシーノ氏は「これからもイノベーションを届け、エコシステムを創造していきたい。そして、ヘルスケアのイノベーションに注力していく。24年は300万人の患者に貢献したが、30年までには900万人にしたい。医療の未来を描いていきたい」と抱負を語り、締めくくった。