スイスに本社を置く製薬メーカー・ノバルティスの日本法人であるノバルティスファーマ(東京都港区)が2025年4月17日、都内で記者会見を開いた。24年11月1日付で新たに代表取締役社長に就任したジョンポール・プリシーノ氏が登壇し、日本社会の課題と今後の事業戦略などについて説明した。
ノバルティスファーマのジョンポール・プリシーノ代表取締役社長。製薬業界での経歴は20年を超え、過去10年間はアジア各国、うち5年間は日本で勤務してきた
製薬業界で働くモチベーション
社長就任後の初会見に臨んだプリシーノ氏は、製薬業界で働くモチベーションについて初めに語った。それは10年前のことだ。当時、同氏の父は進行性前立腺がんの診断を受けていた。同じ時期に自身の結婚式があったのだが、父は革新的な医薬品のおかげで立ち会うことができたという。
「皆さまも、がんではなく、たとえば他の疾患で似たような経験をされているのではないでしょうか。革新的な医薬品を最も必要とする患者にお届けすること。これがとても大切だと思っている。ノバルティスで仕事をすることで、多くの患者の生活や命に影響を与えることができると思っている」
こうした思いから、自身もノバルティスが掲げるパーパスやビジョンに強く共感するという。とくに「より充実した、すこやかな毎日のために、医薬の未来を描く」というパーパスに対し、プリシーノ氏の父のエピソードが重なると語った。