「グラグラワーク現象」にご注意を
一方、ビジネスパーソンを対象に、自身のセルフケアがどの程度できているかを聞くと、46.9%が「セルフケアができている」と答え、前回(2024年調査)の44.4%から2.5ポイント増えた。セルフケアにかける1か月の費用は、平均4428円。これも、前回調査の4173円と比べ、255円増える結果となった。
なお、セルフケアを意識して行っていることを聞くと、最多は「十分な睡眠をとる」で40.8%。次いで、「朝食をきちんと食べる」40.1%、「1日3食、きちんと食べる」38.6%、「野菜を多く摂取する」37.0%が上位となっている。
ビジネスパーソンを対象に、現在のワークライフバランスの状況を聞くと、ワークライフバランスが「とれている」は59.9%、「とれていない」は40.1%だった。
そのうえで、「ワークライフバランスと充実感」について調査。その結果、ワークライフバランスが「とれている」人の方が、「とれていない」人に比べ、「仕事のやりがいを感じている」で26.5ポイント差、「趣味や好きなことに打ち込めている」で45.3ポイント差となってあらわれた。また、ワークライフバランスが「とれている」人の方が、セルフケアの実践率が35.4ポイント差(2.4倍)という結果も出ている。
今回の調査を受け、第一三共ヘルスケア産業医のチョン・リヒャンさん(株式会社Ds'sメンタルヘルス・ラボ 代表取締役社長)は、新生活が始まる4月は新社会人にとって「慣れない環境の中で仕事と生活のバランスがうまくつかめず、心身共に不安定でグラグラしてしまう『グラグラワーク現象』に陥りやすい時期です」とし、こう指摘する。
「適応しようと過剰に頑張り続ける状態を医学的には過剰適応と呼びますが、グラグラのまま過剰適応を続けると、ゴールデンウィーク明けにいわゆる『五月病』に陥ってしまう場合もあります」
「グラグラワーク現象」への対策として、この時期に心がけたいことがセルフケア。チョン・リヒャンさんは「セルフケアの『さ・し・す・せ・そ』をオススメします(図参照)。何か特別なことをするのではなく、毎日の生活の中で、プチ気晴らしを少しずつ意識して続けることがポイントです」とコメントを寄せている。