「女性管理職の約半数が課長止まりの『ガラスの天井』」を感じる結果
現在、企業では「女性活躍」への注力が急務となっているが、会社内における女性管理職の処遇や位置づけについて、今回の調査で聞いた。
現管理職500人に「女性管理職比率を上げるための人事が行われていると感じるか」を聞くと、70.0%が「そう思う」(「とてもあてはまる」21.0%と「あてはまる」49.0%の合計)と答えた。男女別に見た場合、女性(67.6%)以上に、男性(72.4%)の方が強く感じている結果が出た。
具体的には「女性の方が実力に比べ出世しやすい」(42歳 男性)、「女性管理職比率を増やす目的で、優秀な男性社員が管理職になれない」(53歳 女性)といった声が寄せられたという。
「管理職としての適性の評価基準が男性管理職の働き方をベースに作られている」との質問に対しては、53.2%が「そう思う」とした(「とてもあてはまる」14.4%と「あてはまる」38.8%の合計)。男女別に見た場合、男性(44.4%)よりも、女性(62.0%)の方が高かった。
たとえば、「昇進は性差を感じないが、求められる業務内容・負荷は男性基準」(45歳 女性)、「女性管理職の人数は増えているが会社としてのフォローがない」(53歳 女性)といった声が寄せられたという。
「性別が理由で昇格できたと周りから見られる」との質問に対しては、34.4%が「そう思う」とした(「とてもあてはまる」7.0%と「あてはまる」27.4%の合計)。男女差(男性32.4%:女性36.4%)はあまりないものの、30代は51.0%と、他の世代に比べて突出した。
「女性は課長になることができても、それより上の役職に就くことが少ない」との質問に対しては、43.8%が「そう思う」とした(「とてもあてはまる」10.4%と「あてはまる」33.4%の合計)。
これは、男性(34.4%)よりも、女性(53.2%)に多かった。調査元は「女性管理職の約半数が課長止まりの『ガラスの天井』を感じ、30代では62.3%とさらに高くなっています。管理職の声が聞こえてくる30代は、女性管理職の処遇が自分ごと化され、関心が高くなっているようです」と指摘している。
今回の調査を踏まえ、コーポレートサービス第1ディビジョン マネージャーの大村薫子氏は「求職者との面談で、管理職を希望する女性が以前より増えていることを実感しています」とし、一方で政府の働きかけとあいまって、女性管理職の求人を企業から預かることは多いと指摘する。
だが、今回の調査結果からも明らかになったさまざまな課題があるとし、「優秀な女性管理職を採用したいと考える企業は、女性管理職を増やすことの意義や必要性を改めて認識することが求められていると感じます」と説明する。