転職サイト「doda」などを提供するパーソルキャリアの調査機関「Job総研」は、2024年10月7日に292人の社会人男女を対象とした「2024年 日本経済の意識調査〜少子化編〜」を発表した。
少子化対策に必要だと思う支援...「学費の補助」60.0%
<子どもを持つ場合の経済不安 3位「物価の変動」、2位「家族の生活費」、1位は?>の続きです。
この調査は、子どもを持つことへの希望の有無や現収入での出産・子育て意識とその年収別割合、また子育て時の経済不安の有無とその背景、現収入で学費を払う自信及び子育てに必要な最低限の収入、さらに景気が及ぼす少子化への影響とその内容を調べた。
調査のうち、「現収入で学費・教育費を払える自信はあるか」との質問には、「自信はない」が64.1%で過半数を超えた。「全く自信はない」が27.1%、「自信はない」が16.1%、「どちらかといえば自信はない」が20.9%という内訳だった。
さらに、1人あたりの子育てに必要だと思う最低限の収入額を聞くと、平均が「831.7万円」、中央値が「525万円」、最頻値が「525万円」となった。
また、「経済・景気は少子化へ影響しているか」との質問には、「影響していると思う派」が95.9%で大多数を占めた。「とても影響していると思う」が52.1%、「影響していると思う」が31.8%、「どちらかといえば影響していると思う」が12.0%という内訳だった。
回答者にどういう影響があるかを聞くと、「収入が上がらないこと」が52.7%で最多。次いで、「消費税や所得税増税」が50.0%、「十分な学費・教育費の確保」が48.6%だった。
今後、少子化はどのようなことに影響していくかを聞くと、「労働力・人材不足」が81.1%で最多、次いで「年金制度の維持」が71.9%、「経済成長の停滞」が64.9%となった。
また、少子化対策に必要だと思う支援を聞くと、「学費の補助」が60.0%で最多、次いで「現役世代の賃上げ」が57.3%、「子育て世帯向けの減税」が54.1%だった。
回答した人からのコメントとして、以下がよせられている。
「子育てにはお金が必要。責任をもって育てるのに金銭的に余裕がないのは子どもが可哀想だ」 「社会保障費や税金が増えたので、生活費やローンの他に今後の学費のことを考えると2人目は考えられない」 「生活費など含め子供の教育に力を入れながら払えていけるかが不安となり、子供を産むには少し勇気がいる」 「今の状態から考えると自分の生活のことで余裕が無いので、子ども・結婚相手のことなど考える余裕が無い」
Job総研は、「大多数の人が経済不安を抱えるも、年収800万円以上の社会人は子育てに積極的な姿勢を見せています。しかし現場からは、生活費・教育費の負担軽減のほかにも、現役世代・子育て世帯をピンポイントにした経済支援が求められる声が挙がっています」としている。
この調査は現在仕事をしているJobQ Town登録者の男女の20~50代292人を対象に、2024年9月4日〜9日、インターネットで行った。