マイナビは2024年10月3日、2023年6月以降の直近1年間に転職した人と、2024年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者を対象にインターネット調査を行い、「退職代行サービスに関する調査レポート(企業・個人)」を発表した。
代行を使う理由は「退職を引き留められた(引き留められそうだ)から」「自分から退職を言い出せる環境でないから」
調査ではまず、直近1年間(2023年6月以降)で転職した人に退職代行サービスの利用状況を質問した。すると、全体で「利用した」と答えたのは16.6%。年代別では、利用者は20代が18.6%、30代が17.6%、40代は17.3%だった。 職種別では、「営業」が最多で25.9%。次いで「クリエイター・エンジニア」が18.8%、「企画・経営・管理・事務」が17.0%という順になった。
退職代行サービスを利用した理由を聞くと、「退職を引き留められた(引き留められそうだ)から」が40.7%で最も高く、次いで「自分から退職を言い出せる環境でないから」が32.4%。「退職を伝えた後トラブルになりそうだから」も23.7%あった。
また、今後退職代行を利用したい意向があるのは20.1%で、直近1年間で退職代行を利用した人に限ると、74.2%が「今後も利用したい」と答えた。
一方、採用側の状況を見ると、上半期(2024年1月~6月)に退職代行サービスを利用して退職した人がいた企業は23.2%だった。 さらに、過去の退職代行利用者の実績を年度ごとに聞くと、2021年が16.3%、2022年は19.5%、2023年は19.9%となり、退職代行利用者は年々増加傾向にある。
調査元のキャリアリサーチラボの宮本祥太研究員は、
「退職代行が退職の手段の一つとして世間に広がりつつあり、利用する人が増えている様子がうかがえました。特に職種では『営業』『クリエイター・エンジニア』、業種では『金融・保険・コンサルティング』『IT・通信・インターネット』で利用率が高い結果となり、これらの業種・職種は雇用の流動性が高く、特に企業側の採用ニーズが高い傾向があります」
とコメントを寄せている。
調査は2024年7月4日~18日、正社員として働いている20代~50代の男女のうち、直近1年間(2023年6月以降)に転職した人の800サンプルと、企業は2024年1~7月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者の1600サンプルを対象とした。