中小企業の価格交渉実施率59.4% 価格転嫁できたのは46.1% 中小企業庁

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   中小企業庁は2024年3月の「価格交渉促進月間」に、受注企業と発注企業にどの程度価格交渉・価格転嫁できたかを調べるフォローアップ調査の結果を発表した。2024年6月21日のもの。

  • 労務費を含めた価格交渉が必要
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「価格転嫁できた企業」と「できない企業」の二極化する兆し

   同庁では価格の改定が、4月と10月に行う企業が比較的多いことから、その前月である3月と9月を「価格交渉促進月間」と設定し、価格交渉・価格転嫁の促進のため講習会や広報の実施、業界団体を通じた価格転嫁の要請などを行っている。また、価格交渉の状況についてのフォローアップ調査も行っている。

   この調査は2024年4月18日から5月31日までの間にアンケートを約30万社に送付し、4万6461社から回答を得ている。

   調査結果では、発注企業と受注企業の間で価格交渉が行われた割合は59.4%だった。発注企業から交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた割合が増加するなど、価格交渉をすることができる雰囲気が醸成されつつある傾向のようだ。

   一方で、物価高や輸送費・人件費高騰を受け、価格転嫁できた割合は46.1%だ。コストの増額分を全額価格転嫁できた企業の割合が増加したが、「転嫁できた企業」と「できない企業」で二極化する兆しも垣間見えるという。実際に、交渉を希望したが行われなかった企業の割合は10.3%に上る。

   また、業種別では化学産業、鉱業・採石・砂利採取業、製薬業では価格交渉が盛んにおこなわれているようだ。

   正当な理由のない原価低減要請等によって価格転嫁できず、減額されたケースが、全体の約1%存在した。同庁によると、下請法違反が疑われる事例も存在しているという。

   中小企業庁では、8月上旬を目途に発注企業ごとの価格交渉・価格転嫁の評価を記載したリストを公表することを予定している。

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