建設DXに取り組む野原グループは2024年1月に行った「建設業界従事者1000人への独自調査」から、現場監督・所長(現場代理人)307人に対象者を絞った「建設の2024年問題と現場の業務デジタル化の意識調査」の結果を2024年3月28日に発表した。
現場監督・所長自身の働き方を改めて見直す機会に
<【建設2024年問題】現場監督・所長が「2024年問題で悪化すると思うこと」...3位「時間給・日給が減り困る」、2位「若手入社希望者が減る」、1位は?>の続きです。
調査では、現場監督・所長(現場代理人)307人に聞いた。
「建設業界で最も深刻と思われる課題」を聞いたところ、その結果は、1位が「人手不足(65.1%)」、2位は「高齢化による技術承継(46.6%)」、3位は「労働時間が長い・年間休日が少ない(33.6%)」となった。
調査元は「2023年調査結果と比べると、1~2位の順位は同じだが割合が増加しており課題が深刻化している。また、2023年調査結果ではランクインしていなかった『労働時間が長い・年間休日が少ない(33.6%)』が3位に上がっており、建設の『2024年問題』を背景に、現場監督・所長(現場代理人)自身の働き方を改めて見直す機会になっているのではないか」と指摘する。
デジタル化による生産性向上、業務効率化が遅れている業務プロセス 1位「施工・専門工事」
また、「デジタル化による生産性向上、業務効率化が遅れている業務プロセス」を質問すると、1位が「施工・専門工事」で47.2%。2023年調査結果よりも6ポイント上昇したという。2位は「施工管理」で33.2%。前回調査よりも、1.7ポイント上昇だという。
調査元は、「現場監督・所長(現場代理人)では、建設現場での施工関連プロセスの『デジタル化による生産性向上、業務効率化の遅れ』を感じている方が増えている」としている。
最後に、「使いこなすことができればよいと思うデジタル技術(機器・ツール)」を聞くと、1位は「BIM(3Dモデルで企画・設計・施工・維持管理に関する情報を一元管理)」が23.5%だった。2位は「施工管理ツール」で20.5%。これらは他のツールに比べて数値が高かった。
「BIMを使いこなしたい理由」では、
・すべてを一元管理した方が効率的だから
・トータルなデジタル化ができる
・複雑な図面等が、わかりやすくなる
・3次元にすることで理解しやすい
・業務の効率化
などの声が寄せられている。
なお、この調査は2024年1月15日~22日、ゼネラルリサーチに調査委託したインターネットアンケートでおこなわれた。対象は、20代~70代の現場監督・所長307人。