建設DXに取り組む野原グループは2024年3月21日に、「デジタル化による生産性向上の実態」について結果を発表した。
デジタル化未対応で仕事の「不安ある」人...20代、30代、70代で多い
同社の情報メディア「BuildApp News(ビルドアップニュース)」が2024年1月に実施した「建設業界従事者1000人への独自調査」から、「デジタル化による生産性向上の実態」についての結果となる。
調査でははじめに、「デジタル化に対応できないと将来仕事が減るのでは、という不安がある」か聞くと、「ある」が過半数を超える61.3%となり、「ない」は38.7%となった。
これは、2023年調査と比較すると、「不安がある」人は1.9ポイントの減少。「不安がない」人は2.1ポイントの増加となった。
さらに、年代別に見てみると、「不安がある」人は、20代(69.5%)、30代(68.8%)70代(70.0%)で多い傾向だった。「不安がある」人が最も少ないのは、40代の55.2%だった。
同社では「40代は、建設業への従事年数も一定あり建設業に多いアナログ手法と、デジタルデバイスの両方に対応できている方が多いのではないか」と考察している。
デジタル化が「遅れていると思う業務プロセス」 1位は「施工・専門工事」
続いて、業務プロセスごとに、「デジタル化による生産性向上、業務効率化」が進んでいるものと、遅れているもの―について聞いた。
その結果、「進んでいると思う業務プロセス」は、多い順に、「設計関連業務(設計・監理など)」が40.2%、「見積・積算業務」が38.2%、「施工管理」が34.0%となった。
一方で、「遅れていると思う業務プロセス」は、多い順に、「施工・専門工事」(39.8%)、「施工管理」(24.9%)、「営業」(22.5%)という順位になった。
ついで、デジタル化による「生産性向上、業務効率化が進まない理由」を聞くと、1位は「デジタル化できない作業が多い」で55.8%、「現場での変更が多くデータ更新が面倒」が27.6%、「導入から運用までの煩雑さ」が22.6%となった。
なお、この調査は2024年1月15日~22日、全国の建設業界従事者(20代~70代)1000人を対象に、ゼネラルリサーチによるインターネット調査で行った。