「上司も部下に忖度する時代」を前提としたコミュニケーションを
最後に、全体の629人に上司と部下の振る舞いへの賛否を聞くと、「『部下が上司に合わせる』に賛成」派(部下が合わせるにとても賛成:6.8%、部下が合わせる風潮に賛成:16.4%、どちらかといえば部下が合わせるに賛成:43.2%の合計)が66.4%で過半数だった。
また、上司部下別の回答では、上司が「『部下が上司に合わせる』への賛成」派(部下が合わせるにとても賛成:2.5%、部下が合わせるに賛成:14.6%、どちらかといえば部下が合わせるに賛成:48.3%の合計)が65.4%で最多。
これに対して、部下が「『部下が上司に合わせる』への賛成」派は64.8%(部下が合わせるにとても賛成:4.9%、部下が合わせるに賛成:14.8%、どちらかといえば部下が合わせるに賛成:45.1%の合計)の結果になった。
回答者のコメントを見てみると、上司からは、こんな声が。
・私が部下だった時はなんでも上司に合わせるのが普通だった。今は部下が個人として尊重されている
・部下の方がものを言いやすい時代に変わった。パワハラを恐れ上司としては強く出にくい
・なんでもない一言がハラスメントに該当しないかとても気を遣う時はあるが、部下とは仲良くしたい
一方、部下からは、こんな意見が。
・上司には忖度するが、それは上司に気に入ってもらい関係性を深めたいと思っているから
・案外忖度をすることで、一定の信頼や関係構築に繋がっているのかもと上司と関わっていて思う
・部下が忖度するのは令和でも変わらない。関係性維持のためにも上司を立てるのも部下の役割
Job総研室長の堀雅一氏は、「回答結果からも一定数『部下が合わせる』という、昭和の風潮が続く傾向も見られているため、職場でのコミュニケーションエラーを防ぐためにも、今後は双方が『上司も部下に忖度する時代』を前提としたコミュニケーションを取っていく必要が考えられる調査結果となりました」と総括した。