自分に自信がなく、目標を設定したくないと言ってきた部下...どう関わる?【リーダーの「コミュ力」vol.5後編】

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   みなさん、こんにちは。今回は、自分に自信がなく、目標を設定したくないと言ってきた部下とどう関わるか、というテーマでお話していこうと思います。

   今回は次のシチュエーションを想定して、上司としてどのような考え方をもち、部下と関わっていけばよいのか考えていきましょう。

「理想像」を明確にする支援を

   <自分に自信がなく、目標を設定したくないと言ってきた部下...どう関わる?【リーダーの「コミュ力」vol.5前編】>の続きです。

   「何のために目標設定をするのか?」と聞かれたら何と答えますか。多くの方は、「目標を達成するため」と答えるのではないでしょうか。

   しかし、そもそもなぜ達成したいのでしょうか。それは、達成した先にある、自分の理想の姿など、描いている未来を得たいと思うからではないでしょうか。

   これは、部下も同じです。なので、まずは部下の理想とする姿を一緒に探す。そこからはじめてみましょう。

   どういうアプローチが必要なのかというと、基本的には質問をして傾聴することです。たとえば、入社動機を聞いて、もともとどんな風になりたいと思って会社に入ってきたのか聞いてみましょう。それは、部下自身が興味のあることを知り、なりたい理想像を明確にしていく支援になります。

   また、後輩が入ってきたときに、後輩にとってどんな先輩で、どんなプラスの影響を与えたいと思っているのかを聞くのは、近い未来の理想像を考えてもらうために効果的です。

   自分の理想像が明確になればなるほど、一時的ではなく、長期的なモチベーションにつながります。

部下と一緒に、「適正目標」を見つけていく

   部下の理想像が明確になったら、一緒に目標を設定していきましょう。

   その際は、メンバーのいまの状態を見て、最適な目標設定を支援します。まず、部下が達成を経験している場合です。そのときは、達成できる範囲のなかで、本人の成長につながるチャレンジングな目標設定をします。

   逆に、部下が未達成を続けている場合は、達成できるレベルで達成感を得られる、低すぎない目標を設定して弾み車を回すことが大切です。

   今回のシチュエーションの場合、私だったら、「Eさんのなりたい姿。その理想像を実現するためのトレーニングと考えて、次の目標を立ててみませんか」と提案します。

   そうすることで、目標設定が単なるノルマやプレッシャーなどといったネガティブなものではなくなります。理想像を得るためのマイルストーン的なものとなり、一つひとつの目標を目指すことに対する意味や意義が見えてきやすくなるのです。

   目標設定する最大の意義は、思考を集中させること。思考を集中させて目標達成を果たしていくことで、結果的に成長を生み出していき、自分の理想の姿に近づいていく。そのように、部下が目標設定する意義付けを行うように導くことが大切です。

   そのうえで、「じゃあ、自分が目指す理想像を見たとき、どのくらいの目標に設定したらいいと思う?」と、部下と一緒に具体的な目標を立てていきましょう。

   ただ、このときも、単に部下が提示してきた目標設定を鵜呑みにはしません。上司の目線から、どのくらいが適正な目標設定となるのか、部下の力量を目に見えるかたちで提示しながら、双方が納得いく目標を設定していきましょう。

   いかがでしたか。部下の理想像を明確にしたうえで、一緒に適正な目標を設定していく。そうすることで、部下のなかで目標を達成することの意義が見えてきやすくなり、ひいては成長につなげていくことができるのです。ぜひ、一緒に取り組んでいきましょう。(橋本拓也)


【プロフィール】
橋本 拓也(はしもと・たくや)
アチーブメント株式会社 取締役営業本部長

2006年アチーブメント株式会社に入社。新規事業として家庭教師派遣事業を立ち上げたのち、医師・弁護士・会計士などの専門職業人、経営者やセールスパーソン等の目的・目標達成の支援を行うパーソナルコンサルタントとして活躍。2017年同部門の東日本エリア担当マネジャーを経て、2021年執行役員、2022年取締役に就任した。100名以上のメンバーマネジメントに携わる傍らで、『頂点への道』講座 アチーブメントテクノロジーコース・ダイナミックコースのメイン講師を担う。これまで各種研修で担当してきた受講生の数は2万名を超える。

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