コロナ禍で急増の国の「基金」...非効率、不明朗な運営相次ぐ ゆるみきった財政のタガの締め直し、容易でなく

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新聞大手も厳しく注文 現状の大幅積み増しを疑問視 実効性ある仕組み求める

   こうした一連の動きに、大手紙も厳しく注文している。

   朝日新聞は11月25日社説で「岸田首相は今週、基金全体の見直し方針を年内にまとめるよう指示した。だが一方で、政権は『予算の単年度主義の弊害是正』を大義名分に、基金の積極的な活用に拍車を掛け続けている。今年度補正予算案にも4兆円余りを計上した。半導体産業の支援に2兆円を追加するなど破格の手厚さだ。『緊要な経費』を手当てするはずの補正に乗じて、十分な審議を経ずに巨費を積むようでは、『基金見直し』も形ばかりと疑わざるをえない」などと、岸田政権の見直しの「本気度」に疑問を呈する。

   日経新聞も補正予算案の審議を前に、11月17日社説で、「当初予算の枠外である補正での積み上げが横行している」と、基金の大幅積み増しを疑問視。

   毎日新聞は11月27日の社説で、基金膨張の背景として「政府の思惑がある。経済対策の規模を大きく見せて、国民にアピールすることを優先したのだろう。省庁の縄張り意識も働いている。既得権として手放したくないのが実態ではないか」と指摘。見直しの方針については、「かけ声倒れに終わらせず、政府は実効性ある仕組みを作らなければならない」とくぎを刺している。

   八方ふさがりの岸田政権に、問題にメスを入れる力はあるのか。逆に、思い切った見直しで国民にアピールするのか。いずれにしても、いばらの道であるのは間違いない。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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