1972年創刊の冊子「カートピア」とともに、インターネットのない時代からファンと交流
これまでスバルはファンコミュニティーサイト「#スバコミ」を運営していたが、9月29日にサービスを終了し、今回、「スバ学」に衣替えした。
スバ学は学校だけに、学長もいる。学長には同社の技術系トップ、最高技術責任者(CTO)の藤貫哲郎氏が就任。
フジヌキ学長は「みなさん、スバ学への入学おめでとうございます。このスバ学はスバルを愛する皆さんやスバルに関わる人たちが一緒になって学び、交流できる場を作りたいという思いで開校しました」と語っている。
スバルは1972年から「カートピア」という月刊のユーザー・ファン向け冊子を発行している。スバルは「カーライフマガジン」と呼んでいるが、全国のスバルディーラーで配布しているほか、現在はWeb版もある。
他メーカーにも同様のユーザー向け冊子は存在するが、すでに消滅したものも多い。そのなかでスバルは小規模メーカーながら、「スバリスト」と呼ばれる熱心なファンに支えられ、インターネットがない時代から、カートピアを介したコミュニティーが存在した。そのコミュニティーが現在のスバ学につながっているのだろう。
◆これからのEV時代、水平対向エンジンなきあともファンに愛されるクルマを
米国でスバルファンは「Subie(スービー)」と呼ばれ、日本のスバリストと同様、熱心なことで知られる。
それは低重心でバランスのよい水平対向エンジンとAWD(全輪駆動=4WD、四輪駆動)の組み合わせによる「走り」のよさと、アイサイトなど先進安全性に対するユーザーの信頼があるからだ。
スバルの特徴であるAWDは電気自動車(EV)の時代になっても変わらないが、水平対向エンジンはEVとなれば消滅する運命にある。その場合、スバルは何を武器にファンの心をつかむのか。
スバ学というファンコミュニティーサイトの立ち上げを機に、そんなことを考えた。(ジャーナリスト 岩城諒)