物価高が続いても、クリスマスケーキだけは節約の対象外?
クリスマスシーズンを前に、百貨店などが行ったアンケート調査でそんな結果が出ている。新型コロナウイルス禍を機に強まった、家族や親しい仲間と自宅で記念日など過ごす傾向は依然続いており、2023年の冬は少しぜいたくなケーキを囲んだにぎやかな「おうちクリスマス」が増えそうだ。
クリスマスケーキは、節約を「意識しない」72.1% 予算の最高額に「7万円」の回答も
老舗百貨店の松屋(東京都中央区)が10月中旬、オンライン上で行ったアンケート調査(469人が回答)によると、クリスマスは「自宅で過ごす」という回答が86.1%に上り、前年の22年(85.5%)とほぼ変わらなかった。
また、「クリスマスケーキを購入する予定だ」という回答は85.7%に上り、昨年(70.4%)を大きく上回った。電気代や食品の高騰が収まらない中、ケーキを購入する際に節約を意識するかについて聞いたところ、「意識しない」は72.1%と7割を超えた。「普段は節約しているが、クリスマスケーキは奮発したい」という回答が14.3%あった。
ケーキの予算金額については、前年の2022年は平均4908円だったが、今年は6077円と約1200円も高い。予算の最高額も22年は3万円だったのに対し、今回は7万円という回答があった。
松屋は「物価が高騰していても、クリスマスケーキは華やかで豪華なものがほしいという需要は大きいようだ。予算金額が高くなっているのは、家族や友人など大勢が集まり、みんなでシェアできるよう、複数のケーキを購入する予定の人が増えているためではないか」と見ている。
クリスマスパーティーは複数回実施の傾向 見た目にインパクトあるクリスマスケーキはいかが?
ケーキやスイーツの専門通販サイトを運営する「Cake.jp」(東京都新宿区)が実施した意識調査(466人が回答)では、クリスマスを自宅で過ごすという人は81.1%と約8割を占めた。
また、クリスマスケーキを「2個以上購入する予定」という人が約2割おり、「今年のクリスマスパーティーは家族や友人と複数回実施する傾向がある」としている。
こうしたトレンドから、23年は特に、見た目にインパクトがあり、大勢で会話を楽しめながら食べられるクリスマスケーキが人気を集めそうだ。
日本橋三越本店(東京都中央区)で準備している大粒のイチゴをふんだんに乗せたケーキなど王道の商品に加え、ユニークな楽しみ方を提供する商品も多い。
阪急うめだ本店(大阪市)では「不思議の国のアリス」のティーパーティーをイメージし、クッキーやマカロンなどカラフルなデコレーションを自分好みに飾りつけて完成させるケーキなどをアピールしている。(ジャーナリスト 済田経夫)