2024年の春闘、かつてない賃上げムード盛り上がるが...「原資確保」苦しむ中小企業にまで広まるのか?

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「賃金と物価の好循環」生み出したい岸田首相 いまがデフレから脱却するチャンス...政権浮揚の最大のポイント

   いずれにせよ、物価高騰が23年の春闘の賃上げの大きな追い風だった。

   ということは、逆に、「物価が落ち着いてくれば、賃上げの追い風も当然、弱まるだろう」(与党議員)との見方も少なくない。賃上げの大きな流れは続くとしても、低水準の賃上げに終わる可能性もある。

   岸田首相は「賃金と物価の好循環」――つまり、原材料価格や人件費の上昇に見合った価格の引き上げがされ、それにより企業業績が安定的に上向き、賃金上昇につながる、というサイクルの実現に全力を挙げる考えだ。

   現状をデフレから脱却するチャンスと位置づけ、給付金や所得減税をあわせ、賃上げの流れを実現することで、減り続ける実質賃金をプラスに転じることが、政権浮揚の最大のポイントと位置付ける。

   24年春闘が、まさに岸田政権の命運を左右することになりそうだ。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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