減資で課税逃れる「疑似中小企業」後絶たず 総務省、抜け道ふさぐ「新基準」導入へ動き急...経済界は反対

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コロナによる業績悪化が引き金...JTB、HIS、飲食関係の大手有名企業も、相次いで減資

   「疑似中小企業化」が広がったきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化だ。

   この間に減資した企業は、旅行大手のJTBやエイチ・アイ・エス(HIS)、回転ずしチェーンのカッパ・クリエイト、飲食情報サイトのぐるなび、「いきなり!ステーキ」などを運営するペッパーフードサービス、料理宅配の出前館、経営再建中の後発薬の日医工など有名企業が並ぶ。

   総務省によると、2021年度の「資本金1億円超」の企業数は1万9394社で、ピークだった06年度の2万9618社から3分の2に減っている一方、資本金がジャスト1億円の企業は約4000社増えている。

   東京商工リサーチのまとめでは、22年4月~23年3月の1年間に1億円以下に減資した企業は前年より29%多い約1200社と、減資の勢いは衰えていない。こうした中に「疑似中小企業」が含まれると指摘されている。

   減資は、一般的には年々の赤字で生じた欠損金を資本金で穴埋めする手法だが、2006年の法改正で資本金を資本準備金(資本剰余金の一部)に移し替えられるようになり、株主還元(配当)のためなどのために減資しやすくなった。

   それでも、節税目的とみられるものには批判が強く、2015年のシャープの場合、1億円への減資計画を5億円に変更した。

   そうした、世論、評判といった「たが」が、コロナ禍で外れたかっこうだ。

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