デンソー、対策費2900億円を投入...「原因究明に手こずっている?」との懸念も
デンソーは22年9月に、燃料ポンプ事業を、同じトヨタグループの自動車部品会社に売却しているが、完成車メーカーと協力して対応していくことになる。
林新之助デンソー社長は11月15日にオンラインで事業説明会を開き、「ご心配とご迷惑をおかけしていることをおわび申し上げる」などと陳謝。
対策費としてすでに2900億円を計上し、「新たな引き当ては現時点ではない」と説明したが、「この後どうなるかは、計り知れないところがあるのが正直なところだ」とも語った。デンソーの株価には今のところ、特に大きな影響は出ていない。
近年、製造コストを抑えるため、メーカーや車種をまたいで共通の部品を使うケースが増えており、一度、不具合が起きると、今回のように被害が拡大、長期化する恐れが強まっている。
特に今回はトヨタでさえ3回もリコールを重ねているように、「真の原因究明に手こずっている可能性がある」(大手紙経済部デスク)との指摘があり、リコールのさらなる拡大、ひいては、今後の車づくり全体への影響を懸念する声も出始めている。(ジャーナリスト 済田経夫)