23年7~9月期の「コア営業利益」、市場予想上回り前年同期比56.2%増の363億円に
他方、7~9月期は売上高が前年同期比1.6%減の3873億円、最終利益は18.1%減の159億円。ただ、市場で重視されている、構造改革費用などを除く「コア営業利益」は前年同期比56.2%増の363億円となった(花王の会計上、構造改革費用はまともに営業利益に響くようになっている)。
7~9月期のコア営業利益は、発表当日の市場予想平均(322億円)を13%程度上回った。日用品などの値上げ効果のほか販管費の効率化も貢献した。
7~9月期の決算内容について野村証券は発表後のリポートで「ややポジティブ。日本での値上げ等の進捗が良好」と指摘した。SMBC日興証券も7~9月期について「値上げ効果は想定以上」として「ポジティブ」と記した。
株価は8月14日につけた年初来高値(5828円)をうかがう水準まで浮上している。早期退職などのリストラ効果を踏まえた成長軌道への回復を投資家がどう読むかが、さらに上値を追うか、調整するかを左右することになりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)