2023年のお歳暮商戦、注目は? みんなで楽しめる「イエナカ」ギフト&物価高で「もらってうれしい」日常品も強化

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   大手百貨店のお歳暮商戦が本格化してきた。

   新型コロナウイルスの感染拡大は落ち着いてきたが、コロナ禍で広がった「イエナカ」需要は依然として根強いといい、各社は家族や友人が大勢で食卓を囲んで楽しめるグルメなどに力を入れている。

   物価高の中、実用的な商品をそろえる動きもいっそう強まっている。

有名料亭の鍋、カニすき、アンコウ漁師鍋...大手百貨店ともに豊富なラインナップ

   松屋は「みんなで楽しむプレミアムなギフト」を今年のお歳暮のテーマにしている。「身もココロもあたたまる『プレミアムあったかグルメ』」として、有名料亭のこだわりの味が自宅で楽しめるという鍋やスープのセットなどをそろえた。

   個々の家計は値上げラッシュなどで厳しいとされるが、お歳暮の予想平均単価は約3700円で、前年並みが見込まれるという。

   「笑顔が集う、ひとときに」をテーマにしているのは京王百貨店だ。大勢でシェアできるギフトなどを豊富にそろえている。カニすき、きりたんぽ鍋などの「あったか鍋づくし」のシリーズなどが人気を集めそうだ。

   近鉄百貨店も「大人数でおいしいものを食べたいというニーズに対応する商品を展開した」とする。みんなで味わえる飲茶(やむちゃ)セットのほか、北海道産の毛ガニなど「全国ご当地おすすめ名産品」などをアピールしている。

   高島屋も「大人数で食卓を囲むシーンにお薦めしたい」として、アンコウやヒラメなどの入った漁師鍋などを準備している。

上司への儀礼より、自宅用や身近な人へ 「カジュアルギフト」が増加...カードタイプのカタログギフトも導入

   最近のお歳暮は勤務先の上司などに贈る慣例的なものから、自宅用や身近な人に向けたギフトとして利用する人が増加している。このため、手軽に商品を贈れるよう工夫した取り組みも広がっている。

   高島屋は「手軽で、カジュアルに贈ることができるように」と、カードタイプのカタログギフト「e美味マルシェ」を新たに導入した。

   カードの大きさは縦5.5センチ、横8.5センチ。カードの裏面にIDとパスワードが記載されており、カードを受け取った人は専用サイトからIDなどを入力してログインし、牛肉やフルーツなど欲しい商品を選べるという仕組みだ。贈りたい相手の好みが分からない場合などにも活用できるという。

   物価高に対応した商品も多い。

   松屋は「物価高だからこそ、もらってうれしい」商品として、米や卵、しょうゆなど、日常使いできる食品を多数準備。自宅配送限定として、油やうめぼし、調味料などのセットもそろえた。

   近鉄も「送料込みギフト」を増やしたほか、自宅向けのスイーツなども多数そろえた。(ジャーナリスト 済田経夫)

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