規制への動きがはやいEU 23年5月、巨大IT企業に自社サービス優遇などを禁じる「デジタル市場法」施行
米国よりさらに先を行くのが欧州連合(EU)だ。
EUの執行機関にあたる欧州委員会は2017年、グーグルがインターネット検索市場での独占的な地位を乱用して自社サイトを優遇し、EU競争法(独禁法)に違反したとして24億2000万ユーロ(約3800億円)の制裁金を、18年にはアンドロイドを採用するスマホメーカーに対し自社アプリ使用を強要したとして、43億4000万ユーロ(約6900億円)の制裁金を、それぞれ科した。
さらに、競争法ではネットを介した複雑なサービスの実態に対応しきれないとの判断から、23年5月に巨大IT企業に自社のサービス優遇などを禁じる「デジタル市場法(DMA)」を施行。9月、米グーグル(持ち株会社アルファベット)やアップルなど6社をDMAの規制対象に指定した。DMAは、重大な違反に年間世界売上高の最大10%、違反を繰り返すと最大20%の高額な罰金が科すと規定している。