「水処理装置大手」オルガノ株、上場来高値...業績上方修正を好感 年間配当も従来予想より16円増やして82円に

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   水処理装置大手、オルガノの株価が2023年10月26日の東京株式市場で一時、前日終値比625円(15.6%)高の4640円まで上昇し、上場来高値を更新した。

   前日に2024年3月期連結決算の業績予想を上方修正したことが好感された。その後も上値を追う展開となっている。

24年3月期連結決算...最終利益は、従来予想比28億円多い140億円に

   まず上方修正の内容を確認しておこう。売上高は従来予想比を据え置き1500億円(前期比13.3%増)、営業利益は従来予想より40億円多い200億円(31.3%増)、最終利益は従来予想比28億円多い140億円(19.4%増)。力強い2桁の増収増益を見込む。

   オルガノは利益面について「電子産業分野を中心に国内外の大型プラント案件においてコストダウンなどの収益改善策によって利益率が改善した。ソリューション事業(消耗品交換、メンテナンス等)など他分野でも事業が好調に推移し、期初の予想を上回る水準を見込む」と説明している。半導体市況の回復を背景に、半導体生産向け製品の出荷も好調なようだ。

   業績予想と併せて配当予想も上方修正した。業績改善を踏まえて、年間配当を従来予想より16円増やし82円とした。

   2023年3月期中(2022年10月)に株式分割しているため単純比較できないが、分割後の基準で、2023年3月期の年間配当金を算出すると62円。それに比べれば、20円の増配という計算になる。こうした株主還元策も、投資家に歓迎されている。

水処理の独自技術に強み 半導体生産に欠かせない「超純水」の製造装置で存在感

   それではオルガノという会社についてみておこう。

   プラント向けから小型水処理装置、水処理薬品など水処理関連を幅広く手がけるメーカーだ。半導体生産に欠かせない「超純水」の製造装置などを手がけることでも知られる。

   創業は長野県諏訪市にて1946年、無熱蒸留水製造装置の開発を目的として「日本オルガノ商会」が設立された。現在は化学メーカーの東ソーが約44%を出資し連結子会社としている。

   社長も東ソー出身者が務めている。従来から大株主だった東ソーが株を買い増して2001年に子会社になった。

   水処理で独自技術を持つ強みはあるものの、PER(15.5倍)やPBR(2.5倍)がやや高く、なお上値を追い続けるかについては市場の見方が分かれている。(ジャーナリスト 済田経夫)

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