減税策を含めた経済対策に批判一色の報道 支持率回復の思惑から大きく外れ...
経済対策が大型化した背景には、支持率急落にさらされる官邸の焦りがある。反転攻勢のきっかけが見いだせない中、官邸が経済対策にすがったのだった。
毎年の恒例行事化してはいるが、足元の課題を解決する「カンフル剤」を示すことは政権にとってプラスに働く。
「とにかく大型に」という官邸の要求に応じようと、霞が関は駆けずりまわった。各省庁が24年度当初予算用に準備していた事業の一部を前倒しし、「宇宙戦略基金」など基金の増設などで対策規模を「水増し」し続けた。
しかし、結果は当初の思惑から大きく外れた。メディアの報道は減税策を含めた経済対策の批判一色に染まり、野党だけでなく、与党内からも不満が渦巻いている。
「計算違いどころの話ではない。もはや悲劇だ」
政権に近い関係者からは、こんな嘆き節も聞こえてくる。
臨時国会では来週以降、経済対策に関する議論がさらに加熱するとみられる。
「経済の岸田」のイメージづくりにものの見事に失敗した岸田政権にとって、イバラの道となりそうだ。(ジャーナリスト 白井俊郎)