自分へのご褒美は、してもいい?
「がんばった自分へのご褒美」は、誰がいつ頃考えたのかわからないが、非常にすぐれたコピーである。手あかが付いたキャッチコピーだが、脈々と受け継がれている。
「無駄遣いが9割」であることは本人が一番わかっている。なぜなら、通常の買い物をするのに理由など不要だからである。「必要だから買う」「欲しいから買う」、それでいいわけだ。「がんばった自分へのご褒美」という大義名分を与えることに、少し無理のある買い物であることが明白になってしまう。
これは、無駄遣いに対する強引な正当化であり、他の人への言い訳など、あらゆる後ろめたさが感じられる言葉でもある。では、どうすべきか?
それは、がんばった自分へのご褒美で、人生にミソをつけないことだろう。私の経験上、「がんばった自分へのご褒美」が口癖の人は、ローンの残高が多かったり、借金をすることにも無頓着な人が多いと考えている。「がんばった自分へのご褒美」が脳裏に浮かんだ時が一番危険である。それは、ブレーキを踏むべき瞬間かもしれない。
思いあたる方は、この機会に見直してはいかがだろうか。(尾藤克之)