みなさん、こんにちは。今回は、面談で仕事が楽しくないと言葉を漏らした部下とどう関わるか、というテーマでお話していこうと思います。
今回は次のシチュエーションを想定して、上司としてどのようなコミュニケーションを取り、部下のモチベーションを引き出せばよいのか考えていきましょう。
「仕事を楽しんでもらう工夫」をする
<面談で仕事が楽しくないと言葉を漏らした部下とは、どう関わったらいいか?【リーダーの「コミュ力」vol.3前編】>の続きです。
部下が求めているものを知ったら、次に上司がすべきことは「部下が仕事を楽しめるよう工夫をしてあげること」です。さまざまありますが、今回は2つご紹介したいと思います。
1つ目は、仕事をする目的を見出す支援をすることです。これは、部下の「求めているもの」に寄り添いながら、仕事に打ち込む理由を一緒に見つける、といってもいいかもしれません。
たとえば、人の役に立ち、喜んでもらうことが好きな部下がいたら、「この仕事は、他部署から見るとこんな風に役に立っているんだよ」と、上司から他部署の視点を伝えてあげるのは効果的ですよね。
また、「お客様にこんな風に喜んでもらえている」と、実際の顧客の声を伝えてあげるのも価値あることです。過去に部下自身がお客様からもらった感謝の声を思い出してもらったり、「この仕事はどう役立っていると思う?」と尋ねたりするのも一つのアプローチです。
部下を「当事者」にする
2つ目は、主体的に動けるような支援をすることです。人は受け身では楽しさを見出しづらいですが、主体的に動くことで楽しさを感じやすくなります。
たとえば、「この部署がもっと働きやすくなるためのアイデアは何かあるかな」と、意見を求めてみるのは効果的です。そして、出てきたアイデアが任せられそうなものであれば任せてみましょう。
承認をし、信頼していることを伝え、上司が責任をとれる範囲内で仕事を任せることが、部下の主体性を引き出すきっかけとなり得ます。
大切な観点は、将来のことやキャリアビジョンなど遠くのことではなく、目の前の仕事や環境に焦点を当て、小さなことから達成感や充実感を得られる状況をつくることです。
仕事そのものが好きではない部下だとすると、遠い未来のことは考えられていないことがほとんどではないでしょうか。まずは身近なところから、部下自身が考え、行動できるフィールドを準備しましょう。
いかがだったでしょうか。部下の「求めているもの」を知ったうえで、仕事を楽しむ支援ができるようになると、部下の主体性を引き出せる上司へと成長できます。ぜひ、一緒にチャレンジしていきましょう。(橋本拓也)
【プロフィール】
橋本 拓也(はしもと・たくや)
アチーブメント株式会社 取締役営業本部長
2006年アチーブメント株式会社に入社。新規事業として家庭教師派遣事業を立ち上げたのち、医師・弁護士・会計士などの専門職業人、経営者やセールスパーソン等の目的・目標達成の支援を行うパーソナルコンサルタントとして活躍。2017年同部門の東日本エリア担当マネジャーを経て、2021年執行役員、2022年取締役に就任した。100名以上のメンバーマネジメントに携わる傍らで、『頂点への道』講座 アチーブメントテクノロジーコース・ダイナミックコースのメイン講師を担う。これまで各種研修で担当してきた受講生の数は2万名を超える。