近隣湾岸エリアの開発で居住者増え、「普段使いできる商品の需要強まる」
銀座ではここ1~2年、低価格を打ち出すチェーン店の出店が目立っている。
100円ショップのダイソーや作業服大手のワークマンなどが相次ぎオープンしており、いずれの店舗も大勢の客を集め盛況だ。
低価格店が増えている状況について、「節約志向のニーズをとらえようという動きの一環だ」と見る流通関係者は多い。
銀座は高級品、ブランド品のイメージが強い街だが、そこで働いている人は一般的なワーカーであり、最近の値上げラッシュの中で割安感を求めるのは他の地域と同じというわけだ。
足もとでは外食店のメニュー価格も上昇しており、「特に、働く人たちのランチ需要が取り込めるのではないか」と見る関係者も多い。
一方、近年の銀座を巡る事情として、同じ中央区や隣接する江東区などの湾岸エリアにタワーマンションが続々と開発され、居住者が増えていることがある。
こうした居住者にとって銀座は生活圏の中に入っており、「食品はもちろん、普段使いできる商品の需要は確実に強まっている」と話す関係者もいる。
銀座のイメージが少しずつ変わっていく可能性がある。(ジャーナリスト 済田経夫)