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コロナ明け、復活の兆し「忘年会」...あなたは参加したい?したくない? 社員のための「必殺の断り方」、幹事のための「上手な誘い方」...コンサルタントに聞く

   2023年も残すところ2か月強――。今年は3月13日にマスク解除、5月5日にはWHOによる収束宣言、そして同月8日には新型コロナウイルスが5類に分類......という具合に「コロナが終わった年」といえそうである。

   ということは、だ。これまで控えられていたであろう、忘年会が復活してしまう可能性があるのだ。これに恐怖する声を上げているのは......もちろん、酒席を苦手とする人! 事実、X(ツイッター)ではすでに、「忘年会復活しませんように」といった悲鳴が上がり始めている。

   だが、忘年会推進派がいることも確かだ。「忘年会を開催したいと思います。詳細は画像を確認してください、よろしくお願いします。めっちゃ参加してほしいです」といった幹事からの呼びかけもある。

   たしかに、忘年会推進派からすれば、今年は忘年会復活元年としたいところだろうし、この機会を逃せば忘年会という「文化」が消滅してしまうという危機感を感じていることだろう。

   そこで、J-CAST会社ウォッチ編集部は「忘年会のうまい断り方」、「反発されない誘い方」という点について、2023年9月発売の『神雑談力』(東洋経済新報社)で話題の、元お笑い芸人で組織人事や社内研修などに詳しい、コンサルティング会社「株式会社 俺」代表取締役・中北朋宏氏に話を聞いた。

中北氏、忘年会は「絶対に『いる』と考えています」

――毎年、この時期になると賛否両論が上がるのが忘年会です。中北さんはそもそも、どんな意味があると思われますか。

中北朋宏氏 職業柄、多くの経営者・人事の方とお話しすると、「1年間共に働いてきた互いを労うため」という目的で開催していることが多くあります。また、互いを労う中で、関係性を深め業務でも活かしてほしいと考えています。

――単刀直入にお聞きします。忘年会とは必要なものだと思われますか。

中北氏 私は、絶対に「いる」と考えています。なぜかというと、会社側として社員のエンゲージメントを向上させる絶好の機会だと捉えているからです。
ある会社様では、「経営者が主体的に企画をし、OP映像でスカイダイビングを自腹で飛んでいる映像を流したり」、「移動にリムジンを借り会社から会場まで送迎する演出を行ったり」、飲みの場もただの飲み屋ではなく「ホテルの会場を貸し切り」、「全員が満遍なく称賛され、コミュニケーションが図れるコンテンツがあったり」、社員を経営者が本気で楽しませようとしています。
このように経営者が目的を持って主体的に企画する忘年会は、非常に有効であると考えています。

――なるほど!

中北氏 一方で、「いらない」と思う忘年会もあります。

――それは、どういうものでしょうか。

中北氏 それは、目的もなく集まる「忘年会」です。「とりあえずの乾杯」、「なんとなくの会場」、「パワハラまがいの上司が混在している」、「企画を若手社員に任せきりでやらされ感になっている」など...、若手社員に限らず参加することを想像するだけでゾッとしてしまいます。
このような忘年会は、社員のエンゲージメントが向上するどころか、開催すればするほど、会社や上司への軽蔑の念が増していきます。直ちにやめた方がいいと思います。

どうしても参加したくない場合の「対策」とは?

――そういった忘年会の場合、参加したくない人はどうしたら...。上手な断り方はあるものでしょうか。

中北氏 正直なところ私は、忘年会には参加した方がいいと思っています。日常の仕事でストレスがかかわらないためにも、忘年会の場を活用して関係構築をする方が合理的だと考えています。
ただ、忘年会にいる全ての人と関係構築する必要は全くありません。あなたの仕事にとって必要のない人も含まれているからです。業務に関わりがある人だけに標準を合わせてピンポイントで関わることをお勧めします。ある程度、関係構築ができれば途中退席すれば良いだけの話だと思っています。

――ただ、なかには忘年会の雰囲気そのものがイヤという方もいます。

中北氏 なるほど。どうしても参加したくない場合は、忘年会になるであろう日をできるだけ早く特定してください。特定したら旅行の予定を入れましょう。病欠が頭をよぎると思いますが、当日しか使えないためドタキャンになってしまいます。すると、参加費を会社が負担することになり、印象が悪くなってしまいます。そのため、事前に予定を入れていることが重要となります。
わざとらしくてもよいです。忘年会の日が発表された日に上司へ「すみません。旅行の予定が入っており、すでにチケット買ってしまっています...申し訳ありません」と伝えてください。上司が、チケットを解約させてまで忘年会に参加させようとした場合、忘年会の不参加を検討するどころか、辞め時の可能性があるので、ご注意ください。

魅力的な忘年会にするには「経営者が人肌脱ぐのが一番効果的」!

――とはいえ、忘年会に来てほしい、と力を注ぐ幹事の人もいると思います。忘年会の上手な誘い方はありますか。魅力的な、行きたくなるような忘年会にするにはどうしたらいいでしょうか。

中北氏 魅力的な忘年会にするためには、経営者が人肌脱ぐのが一番効果的だと考えています。ただの飲み会の延長線上と考えるのではなく、社員のエンゲージメントを向上させる施策の一環だと、捉え方を変える必要があると思っています。そのうえで、忘年会の目的を明確にし、社員を楽しませる企画を行うことをお勧めします。
その企画が、あまり面白くなくても「今年は、経営者が企画を考えているらしい...」と社内で噂になれば、今まで忘年会に興味がなかった人も興味を抱くことは間違いありません。
ぜひ、「うちの経営者が企画する忘年会はすごいんだ!」と、社内外で噂になるような日が来ることを楽しみにしております!

(構成/J-CAST会社ウォッチ編集部 坂下朋永)

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