ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはEさんが、こんな悩みを抱えていらっしゃいました。「納品物が発生する仕事のため、仕事中にトラブルが起きることは頻繁にあります。チーム内でもトラブルが起きた際、『たんたんとしながらも解決まで導く人』『バタバタと進めて、問題がさらに悪化してしまう人』など、いろんなパターンを見かけます。私もあまりトラブル対応は強いとはいえないので、どのようなことに気をつけて対処するのがいいのでしょうか」
スピード重視だけではトラブルが悪化することも
トラブルが起きた際に、早急に対処することは必要なことです。しかし、スピードだけを重視して動いてしまうと、逆に問題を悪化させてしまうこともあります。
一度、連絡が来たと思ったら直後に、追加の連絡を何度もしてくる人など身近にいませんか。「えっ。結局どう対処したらいいの?」「何が正しいの?」とますます混乱してしまうことになります。
全体の解決策が見えていないのに、目の前のトラブルだけ解決しようと動いてしまうので、こういったことが起きるのです。問題がより複雑になって、トラブルが大きくなってしまうこともあります。
トラブルが起きた時に避けるべきこと
トラブルが起きた場面では、その人の仕事に対する向き合い方がわかります。トラブルの際の行動によって、取引先だけでなく、社内の社員に対しの信頼関係にも影響します。トラブルが起きた際に「避けるべき行動」を知っておきましょう。
・感情で動く
自らにはトラブルの原因がなく、たとえば部下に原因がにあった場合、「なんでチェックをしなかったんだ」「そんなことも分からないのか」とイライラをぶつけたくなる気持ちも分かります。
しかし感情で動いても解決にはつながらず、いいことはありません。トラブルが起きた際に、その人の本質も見えたりするとも言いますよね。感情で動いてしまうそうだと思ったら深呼吸しましょう。
・ネガティブな発言をする
弱音を吐きたくなる気持ちもわかりますが、まわりに対してネガティブな発言をしても何も解決にはつながりません。逆に、まわりに悪影響を与えてしまうので気をつけましょう。
・仕事を放棄する
ないとは思いますが、トラブルが起きた際に仕事を放棄することです。自分一人の力ではどうにも対処できない際には、上司やまわりの力を借りることは仕方ないものですが、「最後まで責任感を持ってやり遂げる」気持ちを捨ててはいけません。取引先の連絡に返信しないなどはあってはならないことです。
立ち止まる時間も大事
トラブルが起きたら、一度立ち止まる時間も大事です。「今の状態はどういう状態なのか」「今の時点で見えていること・見えていないこと」をピックアップし、全体を見る必要があります。見切り発車するよりも、絞り込むことで対処法が見えていくのです。
以前、東京駅から京都駅、その先の在来線に乗りついだ時に、こんな出来事がありました。目的地に到着した際に、バックをどこかに忘れてきたことに気づいたのです。
「東京駅では、お土産を買ってバックに入れたので持っていた」「京都駅から在来線に乗り換えた時にはなかった」ということで、置き忘れたのは「東京駅?京都駅までの新幹線の中だろう」ということまでわかりました。
・乗っていた新幹線の終点はどこか?
・乗っていた時間帯は?
・東日本エリア管轄なのか、西日本エリア管轄なのか?
そこで、「落とし物として届けられているだろう駅」を何か所か絞り込み、管轄の落とし物センターに電話をしたら、無事に発見できました。やみくもにいろんな駅に電話するのではなく、絞り込んで電話することで解決に近づいたのです。
Eさんもトラブルが発生した時には、「すぐに動かない」ことを意識して、一息ついて全体を見てみましょう。(ひろ子ママ)