人生に折り合いをつけるとは?
ちなみに、私がこの話をメディアに公開するのは初めてである。少しずつ話せるようになったのは数年前、つまりごく最近のことだ。なんで話せるようになったのか? それは自らの人生に折り合いがつけられるようになったからだと思う。
著者の咲さんにひとこと(その前に、本稿はいつものテイストの書籍紹介から遠い内容になってしまったので、まずはこの点をお詫びしたい)。本書を読み、両親の望んだ人生を歩む必要はないが、咲さんにかけがえのない愛情を注いでいると感じる。自分が何者かわかるようになったら、また出版にチャレンジしてもらいたい。今回とはまったく違う一冊になるだろうと思う。エールを送ります。
◆追記として
上のエピソードは1980年代のことで、当時は校内暴力が社会問題化していた。生徒が教師を襲ったり、教師が生徒を殴るのも当たり前の時代だった。いまとは時代背景が異なることも記しておきたい。
私は15歳のとき、さきほど書いたようなことを経験した。同級生の父母からは「尾藤君はもう終わりね」と言われ、ゴシップとして扱われることにも、つくづくウンザリしたのを覚えている。たしかに、かなりのハンデになったことは間違いない。
その後、高校~大学に進学した。卒業後は大学院に進学し、経済学と経営学を修了してダブルマスター(経済学修士、経営学修士)も取得した。本も21冊出版し、発信力の高い識者として紹介される機会も増えた。上場企業や事業会社の役員もそれなりに経験した。まだ、何者にもなれていないが、いまを楽しんでいる。
最後に、いじめにあっている子供、つらい思いをしている人に「必ず道が開ける」ことをお伝えしたい。挫折は、とらえ方次第でどうにかなるものだ。よほど外れたことでなければ、「必ず道は開ける」のだと私は信じている。
若い人には時間がある。しかし時間は無限ではない。あなたの成功を、こころからお祈りしています。(尾藤克之)
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