高校中退の「自叙伝」に思う...落ちこぼれでも、夢はあきらめないで【尾藤克之のオススメ】

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教師の嘘と圧力に翻弄される

   担任は「尾藤がやったって言わないと内申書を書かないぞ!」と、みんなを丸めこもうとしていた。全員、すぐに落ちる。事件があってから2日後、突然、身体が動かなくなった。学校まで行こうとするが、校舎を見たら涙が止まらない。

   いまなら「うつ」っぽい状況だとかわかるかもしれない。当時は、そんな言葉すら知らない。両親は私の異変に気づいていた。その日の夜にすべてを打ち明ける。翌日、父が学校に連絡をするが「けんもほろろ」だった。

「お宅のお子さんは大勢を引き連れて、一人の生徒の家に殴り込みにいったんだ!」
「内申書を書かないことだってできるんですよ!」
「少年院に入れることだってできるんだ!」

   場合によっては、ここで泣き寝入りをするケースもあるのだろう。幸いにも父は教育関係者と親交が深かった。そこから中野区に照会をいれて、すべてが判明した。

・A君は前の中学校で事件をおこし、転校を余儀なくされた。
・現中学校は受入れ先であるから、A君が再び事件を起こすことが許されなかった。
・よって、尾藤君にすべての責任を押し付けた。

   私も教育委員会に呼ばれて、直接説明を聞かされた。簡単に説明しているが、ここに至るまでに、事件発生から2カ月近くかかっていることを付記しておく。

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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