生き方に悩んだら...「トッピング思考」で北欧式スローライフを【尾藤克之のオススメ】

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   生き方に悩む人がいる。「そんなの自分で決めればいいいじゃん!」って言われるかもしれないが、それでも人は決めることに悩む。どうやって「決めたらいいか」わからない。

   組織のなかで、右から左に流されてきたような人はなおさらだろう。そのような時、この本を読めば、豊かな人生を見つけるヒントになるかもしれない。

『精神科医がすすめる これからの生き方図鑑』(樺沢紫苑著)光文社

これからは、お金と時間をかけずに遊ぶ

   物価は上がり、何をしてもお金がかかる時代になりました。先日、新宿のホテルに泊まりましたが、ハイクラスはコロナ前の約2倍ですね。普通に食事をしても高くなったなと。しかし、著者の樺沢さんは「お金をかけずに遊ぶのが理想的」だと言います。

「遊びといっても数え切れないほどの種類がありますが、ただ遊ぶのではなく『メンタルの癒やし効果』『健康効果』『脳の活性化効果』など、科学的にも効果の高い付加価値のある遊び。それでいて簡単で、お金も時間もかからずに気軽にできる遊びがいいでしょう。近年、サウナがブームですが、サウナ効果を解説します」(樺沢さん)
「サウナに入ると交感神経優位(緊張・興奮)から副交感神経優位(リラックス)へと強制的に切り替わるので、のんびりするのが苦手な人でも、リラックスモードに入れます。また、脳疲労の回復、さらにうつ病の予防や症状改善に効果があるという論文も出ていて、メンタル面でも高い効果があります」(同)

   樺沢さんは、のぼせやすい体質で、サウナは無理と思っていたところ、サウナの正しい入り方を指南され「こんなに気持ちよかったのか」と極楽体験に驚いているそうです。

「サウナ10分、水風呂1~2分、休憩(外気浴)10~20分。この3ステップをきちんと踏むことが大切です。特に水風呂。最初は10秒入るのも大変なのですが、30秒我慢していると、低温に体が順応してくるのがわかります」(樺沢さん)

   じつは、私もサウナが好きで、ジムで汗をかいた後のサウナを楽しんでいる1人です。次回、このサウナの3ステップ入浴法を試してみたいと思います。

何かをちょい足し! トッピングで贅沢をする

   家でカップ麺をつくるときも、そのままつくるのではなく、冷蔵庫にある「とろけるチーズ」をトッピングすると、ぜいたくな味わいに変わると樺沢さんは言います。

「私の場合はタバスコを数滴加えて、『味変』させます。ほんの数滴ですが、絶妙な辛味と酸味で全体が引き締まり、俄然、美味しくなるのです。タバスコ数滴であれば、1回あたりの単価は数円でしょう。たった数円の投資で、美味しさが何割増しかになるとすればこんな楽しいことはありません」(樺沢さん)
「何かをちょい足しするだけで『楽しさ』や『満足度』を大幅にアップさせることができる。このような考え方を、『トッピング思考』と呼んでいます。これは、すべての楽しみ、趣味、娯楽に応用できます。『今日は何を足そうか?』と考えるだけでワクワクします。トッピング思考で、日々の『楽しい』が3割増します(樺沢の実感値)」(同)

北欧の人々の生き方「Hygge(ヒュッゲ)」に学ぶ

   北欧の人々の生き方に「Hygge(ヒュッゲ)」というものがある。これは、物質的な豊かさではなく、精神性を重視した考え方。誰かと何かを一緒にしたときに生まれる、あたたかい気持ちのこと。樺沢さんの指摘はHyggeに近いものではないかと思う。

   Hyggeという考え方は、北欧ならではの生活様式がベースにある。ゆっくりした暮らしを提案しているので、スローライフの概念に近いといえるだろう。友人と輪になって座ったり、食べものを分け合ったりする習慣。時間と習慣によってつくられ、物語や儀式、価値観を通じて、世代から世代へと受け継がれてきた考え方とされている。

   世界で最も幸福な国民として知られるデンマークは、生活水準が高く、医療制度も整っている。デンマークは、国連の世界幸福度ランキングで1位を3回獲得している。しかし、食料品を含む消費税率が25%、所得税も40~60%と、世界一税金の高い国でもある。

   思えば現在、消費税アップ不可避の日本だが、その前に、国会議員の報酬を見直すべきだろう。日本の国会議員の報酬総額は4000万円を超える。これに対して北欧は、消費税が高い分、議員報酬は抑えられている。参考までに、デンマーク:10万0587ドル(1106万円)、フィンランド:8万9317ドル(982万円)、スウェーデン:8万6556ドル(952万円)である。

   以前、消費税議論のなかで「北欧は税率が25%」「だから上げるべき」と指摘した、トンデモ国会議員がいた。はたして、日本で、Hyggeという生活様式は馴染むのだろうか。

   いずれにしても、お金をかけずに楽しみを見出すことは時流にマッチしている。そんな生活様式を意識したい方には、本書をおススメしたい。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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