北欧の人々の生き方「Hygge(ヒュッゲ)」に学ぶ
北欧の人々の生き方に「Hygge(ヒュッゲ)」というものがある。これは、物質的な豊かさではなく、精神性を重視した考え方。誰かと何かを一緒にしたときに生まれる、あたたかい気持ちのこと。樺沢さんの指摘はHyggeに近いものではないかと思う。
Hyggeという考え方は、北欧ならではの生活様式がベースにある。ゆっくりした暮らしを提案しているので、スローライフの概念に近いといえるだろう。友人と輪になって座ったり、食べものを分け合ったりする習慣。時間と習慣によってつくられ、物語や儀式、価値観を通じて、世代から世代へと受け継がれてきた考え方とされている。
世界で最も幸福な国民として知られるデンマークは、生活水準が高く、医療制度も整っている。デンマークは、国連の世界幸福度ランキングで1位を3回獲得している。しかし、食料品を含む消費税率が25%、所得税も40~60%と、世界一税金の高い国でもある。
思えば現在、消費税アップ不可避の日本だが、その前に、国会議員の報酬を見直すべきだろう。日本の国会議員の報酬総額は4000万円を超える。これに対して北欧は、消費税が高い分、議員報酬は抑えられている。参考までに、デンマーク:10万0587ドル(1106万円)、フィンランド:8万9317ドル(982万円)、スウェーデン:8万6556ドル(952万円)である。
以前、消費税議論のなかで「北欧は税率が25%」「だから上げるべき」と指摘した、トンデモ国会議員がいた。はたして、日本で、Hyggeという生活様式は馴染むのだろうか。
いずれにしても、お金をかけずに楽しみを見出すことは時流にマッチしている。そんな生活様式を意識したい方には、本書をおススメしたい。(尾藤克之)