イスラエル電撃訪問は「危険な誤算」?! それでも英BBCが「バイデン大統領しかいない」と評価する理由とは(井津川倫子)

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トラック運転手たちも安堵! やっと、エジプト側から支援物資を届けられる!

   「危険な賭け」に出たバイデン大統領ですが、支援物資の搬入に関しては成果があった様子。パレスチナ自治区ガザへの人道支援について、エジプトとの境界の検問所からトラック20台分の支援物資を運び入れることで、エジプトのシシ大統領と合意したことが明らかになりました。

Egypt and US agree to allow aid into Gaza
(エジプトと米国は、ガザ地区に支援物資を認めることに合意した:英BBC)

   これまでガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所は封鎖されていて、エジプト側には、各国からの支援物資を積んだ大型トラックが大量に「足止め」されていました。

   物資不足が危機的な状況にあるガザ地区。水や食料、医療品などの必需品が足りずに人々の生活が切迫している目の前で、大量の物資が「足止め」されているとは信じがたいことです。未だ「150台以上のトラックがエジプト側で待機している(英BBC)」という報道に驚くばかりです。

   今回、バイデン大統領とエジプトのシシ大統領が合意したのは、「最大20台のトラック通過」ですから、まだまだ氷山の一角にすぎません。それでも、「トラック20台」の小さな穴が大きく広がって、事態を動かす大きな一歩になることを願うのみです。

   ウクライナの戦争もそうですが、政治の力が間違った方向に動く恐ろしさを目の当たりにする時代になりました。こんな時こそ、海外メディアにも目を向けて、複眼的な視点で世の中を眺めることが必要でしょう。これからも、多様な視点を伝えていきたいと意を強くしました。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、NYタイムズ紙の見出しから、「walk a tightrope 」(危ない橋を渡る、綱渡りをする)を使った表現を紹介します。ちなみに、「タイトロープ」は「綱渡り」に使う綱のことだそうですから、文字通り「綱渡り」なのですね。

Ukraine must walk a tightrope between the U.S. and Europe
(ウクライナは米国とヨーロッパの間で危ない橋を渡らないといけない)

Fed will walk a tightrope between inflation and recession
(Fedはインフレと景気後退の間で、綱渡りをしている)

We have to walk a tightrope on pricing
(商品の値段決めでは、危ない橋を渡ることになる)

   バイデン大統領に続いて、英国のスナク首相のイスラエル訪問も報じられました。各国首脳が一堂に会さずに五月雨式に訪問しているのは、イスラエルの大規模報復を遅らせる作戦だ、との説もあります。

   さすがに他国の首脳を迎えている間は進行を開始しないだろう、という見立てですが、これといった打開策がない証左に映ります。事態の深刻さに圧倒されつつも、各国ニュースから目が離せない日々が続きそうです。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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