入社2年目の若手社員がメンタル不調から立ち直り、大ブレイクした理由とは?【部下の心を動かした『胸アツ』エピソード「4」中編】(前川孝雄)

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別に100件に届かなくてもいいのでは...

   仕事を任せてから3週間後、また報告を求めると、67件の回答が集まっていました。つまり、あと1週間で、33件以上の回答集めが必要なのです。

   T課長が「残りの1週間で33件を集めるのは、大変なハードルだね」と言うと、Hさんは妥協を自己正当化する言い訳を始めました。

「67件も回答が集まったので、別に100件でなくても、集まった分を分析すれば十分ではないですか...」

   するとT課長は...Hさんを厳しく叱ったのです。

「妥協しては絶対にダメだ。あなたはこの仕事の責任者だ。あと1週間も時間が残っているのに、どうして今諦めるんだ。自分の仕事にプライドはないのか。本当に、他にやり方はないのかな?」

   実は、T課長の頭の中には、あと33件の回答をすぐに集める方法がありました。しかし答えがあっても、上司はそれを安易に教えてはいけません。その瞬間に、仕事の当事者は部下ではなくなってしまうからです。

   あくまで仕事の当事者はHさんであり、本人が自分でやり方を考えなければ意味がないのです。

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