入社2年目の若手社員がメンタル不調から立ち直り、大ブレイクした理由とは?【部下の心を動かした『胸アツ』エピソード「4」後編】(前川孝雄)

   「前川孝雄の『上司力(R)』トレーニング~部下の心を動かした『胸アツ』エピソード」では、実際にあった感動的な現場エピソードを取り上げ、「上司力(R)」を発揮する方法について解説していきます。

   今回の「エピソード4」では、<「入社2年目の若手社員がメンタル不調から立ち直り、大ブレイクした理由とは?>というエピソードを取り上げます。

本部長に「約束が違う」と直談判!

   <入社2年目の若手社員がメンタル不調から立ち直り、大ブレイクした理由とは?【部下の心を動かした『胸アツ』エピソード「4」中編】(前川孝雄)>の続きです。

   「社内アンケート100件回集」の目標を自力で達成してからのHさんは、自信をみなぎらせて仕事に取り組むようになりました。

   その後もステップを刻みながらアンケートの再設計などに取り組み、本部長に企画と予算の承認を得て、いよいよ自分が計画した調査の収集・分析システムの運営が可能なところまでたどり着きました。

   しかし、仕事にはアクシデントがつきものです。リニューアルした調査の運用を始める段階になって、部の業績が厳しいため、いったんシステムへの投資は凍結する判断が下されたのです。

   するとHさんは...何と本部長のところに自分から乗り込んだのです。

「なぜ一度承認したものを途中でひっくり返すんですか。現場は望んでいるんですよ。約束が違うじゃないですか!」

   T課長は、その果敢な後ろ姿を見ながら感極まりました。

「1年前は私の目を見て話すこともできなかったHが、こんなにも変わったとは...」

   Hさんが、自分の仕事にプライドを取り戻すとともに、主体性どころか圧倒的な当事者意識を持つようになったことが、心の底から嬉しかったからです。

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