入社2年目の若手社員がメンタル不調から立ち直り、大ブレイクした理由とは?【部下の心を動かした『胸アツ』エピソード「4」前編】(前川孝雄)

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チームメンバーに支えられて最初の目標達成へ

   Hさんは努力と工夫を始めましたが、最初は朝9時までに会社の席に座ることがうまくできませんでした。満員電車の通勤だけで疲れ果て、「今、途中下車して休んでいます。今日は間に合いません」と電話があることも、しばしば。

   T課長はチームメンバー全員に、「Hさんは朝9時出社に向けて工夫しているところだから、応援してあげて」と伝えました。Hさんからの電話を受けた先輩メンバーは「わかった、今日はつらかったんだね。明日また頑張ろう」などと言葉をかけ続けてくれました。

   そして、彼が朝9時前に来て席に座れた日には、みんなで「今日はよくやったね」と声をかけてくれました。そんな周囲の支えが力となり、Hさんの体調は徐々に安定し、1カ月後には毎日9時に出社できるようになりました。

   本人に聞くところでは、営業部門にいた1年間は体調や心の状態を気にかけてくれる先輩や上司はおらず、一方で業績管理だけは徹底される毎日。

「お客さんとのアポイントは、どれだけ取れたか?」
「目標の数字には、まだこれだけ足りないぞ!」

   毎週のように上司から詰められた結果、彼はつぶれてしまい、T課長のチームにやってきたのでした。

   Hさんは職場の中に自分の居場所を見つけたことで、安心して会社に来れるようになりました。表情もすっかり変わり、T課長の目を見て話せるようになりました。

「僕もやればできるんです。朝9時に会社に来られるんですよ」

   そう元気に言えるまでになりました。

   T課長は、ほほ笑ましく思ったものの、これはあくまでスタートラインです。

   そして...このあと、Hさんには大きな試練が待ち受けていたのです。

   この続きは<入社2年目の若手社員がメンタル不調から立ち直り、大ブレイクした理由とは?【部下の心を動かした『胸アツ』エピソード「4」中編】>で紹介していきます。

※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著『部下を活かすマネジメント「新作法」』(労務行政、2023年9月)をご参照ください。

※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。


【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『部下全員が活躍する上司力 5つのステップ』(FeelWorks)、『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版)、『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks)、『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所)等約40冊。最新刊は『部下を活かすマネジメント「新作法」』(労務行政、2023年9月)。

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