出遅れドコモ、「dポイントクラブ」9600万人の顧客基盤生かす...いずれは「ドコモ銀行」も?
今回の提携の狙いは、ドコモにとっては明快だ。
携帯電話各社はポイントを軸とした「経済圏」や金融サービスと連携した料金プランなどで競っている。
ここで「台風の目」と言えるのが楽天グループ。ネット通販の「楽天市場」を軸に1億人レベルの会員基盤をもち、楽天銀行や楽天証券などの金融サービスも備える。
特に、楽天モバイルが、つながりにくさを解決する切り札とされる「プラチナバンド」を取得する見通しになり、「経済圏」の総合力で攻勢をかけてくるとみられる。
KDDIは「Ponta」のポイントを使い、傘下に「auカブコム」、「auじぶん銀行」を持ち、2023年9月から金融サービスを利用すると、金利優遇などの特典が受けられる新料金プランを開始するなどしている。
ソフトバンクも「PayPay ポイント」を軸に、「PayPay 証券」「PayPay 銀行」のサービスを強化。10月から「PayPayポイント」の還元率を上乗せする新プランを始めている。
これに対し、ドコモはグループ内に銀行、証券を持たず、出遅れていた。「dポイントクラブ」9600万人という顧客基盤を生かし、マネックスGとの提携で、「dポイント」や決済サービスをマネックスでの取引で利用できるようにするとともに、ドコモのアプリで証券口座の開設ができたるようにする見通しだ。
こうした金融取引や口座開設などに応じ「dポイント」を還元するほか、クレジットカード「dカード」による入出金や積み立ても可能にする。さらに、この延長線上で、いずれ「ドコモ銀行」を持つとの観測も強まっている。