ポジティブな思考の枠組みを身につけるには?
マインドセットという概念が本書のキーワードだ。
マインドセットには自分の能力、特性、特徴に対する自己認識が含まれる。たとえば、「自分は楽観的なのか? 数学が得意なのか、それとも苦手なのか? 人付き合いが好きなのか、それとも内向的なのか?」といったことだ。
重要なのは、マインドセットとは、これらの属性が時間の経過とともに変化する可能性について、私たちが身につけている信念のことだという。固定型なのか、成長型なのかによって影響を受けるというのだ。
さらに、マインドセットは変えられるという。時間と労力をかければ、成長型マインドセットへと移行して、人生のほぼすべての側面におけるポジティブな思考の枠組みを身につけることができる。
第2章では、マインドセットについて、さらに深く掘り下げている。
幸福感を高めるために比較的簡単にできることの一つは、日常生活で直面する問題を、悪い点ではなく、良い点に注目して捉えなおす、という方法だ。
たとえば、昇進が見送られたら、「今こそ、履歴書に磨きをかけ、もっと充実したキャリアの選択肢を模索する絶好の機会」と考える。
米マサチューセッツ州での5000人以上が参加した研究では、30年間のデータから幸福感が伝染することがわかったという。ハッピーな人に囲まれている人は、時間の経過とともに幸福感が上昇することが示されたという。
一方、ネガティブな体験が社会的なネットワークの中で拡散していくことを明らかにした研究もあるそうだ。環境やトラウマとの関連についても詳しく述べている。