キユーピー株、2年ぶり高値...鶏卵不足が一服、通期上方修正を好感 コロナ禍前を超える業績回復への道筋示せるかが焦点

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

海外に「伸びしろ」...タイ工場にマヨネーズ類製造の新棟建設、「周辺国への供給体制強化」

   10月6日にSMBC日興証券が配信したリポートは営業利益改善の理由について「鳥インフルエンザの(営業利益の)減益影響が当初想定より30億円減少、食油や資材コスト高の緩和、北米の好調などが背景にある」と指摘した。

   キユーピーの海外売上高比率は2022年12月~23年8月期で16%程度。高くはないが伸びしろはあるとみられている。

   決算などを発表した10月5日には併せて、タイの工場にマヨネーズ類を製造する新棟を建設し、生産能力を2倍に増強することも発表した。

   新棟稼働は2025年1月。タイと周辺国で急増する需要への供給体制を強化するとしている。こうしたことも投資家の買い材料となったようだ。

   ただ、先のSMBC日興証券のリポートは、キユーピーが「2024年11月期の連結営業利益を250億円程度に戻し、その後、コロナ禍前の280億円程度に回復させたい」とコメントしたことに対し、「株価もその程度の回復は織り込み済み」との見方を示し、「300億円に向けた回復の道筋を示せるかが焦点」とした。

   株価がさらに上値を追っていくには来期の利益を上積みできるような新たな材料が必要かもしれない。(ジャーナリスト 済田経夫)

姉妹サイト