中古住宅の住宅ローン減税制度はどうなる?
では、一方の中古住宅に関する住宅ローン減税制度はどうかというと、2022年の変更以降は変わりがありません。
すなわち、長期優良住宅などの認定省エネ住宅を中古住宅として購入した場合は、住宅ローン控除の元本上限が3000万円で年0.7%の控除が10年間適用されます。ですから、10年間最大で210万円の控除を受けることができます。
さらに、認定省エネ住宅以外の一般住宅においても、元本上限が2000万円に減額されますが、同じく年0.7%の控除が10年間適用され、10年間最大で140万円の税控除が受けられます。
新築の一般住宅は住宅ローン減税の対象外にされてしまうのに、なぜ中古の一般住宅は変わらず控除の対象となるのか? また、新築住宅よりも中古住宅が制度上優遇されるのは、これまで聞いたことがない――そう違和感を覚える方もいらっしゃるかと思います。
これは、ひとえに、住宅建設が環境に与える負荷の大きさによるものです。
木造住宅は新築の場合、温室効果ガスを平均で約230㎏/平方メートルを排出し、鉄骨造はその約2倍、鉄筋コンクリート造は約2.5倍とされています。だから、環境負荷はきわめて高く、今後可能な限り長く使用する住宅の性能を新築時に高く設定しておくこと――つまり、省エネ基準にあらかじめ適合させておくことは大変重要なポイントになり得ます。
ところが、中古住宅=既存住宅のため、上記の住宅・不動産分野での温室効果ガス削減目標の対象にはなりません。したがって、中古住宅を購入・取得して省エネ改修を実施した場合には、相応の補助金を出すこととする。そして、新築住宅とは違った方法で省エネ対策を推進し、住宅ローン減税は継続しているのです。