2024年から変わる「住宅ローン減税」の制度 注意すべきポイントは?...専門家が解説(中山登志朗)

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新築住宅は、きわめて大きな制度変更を実施

   新築住宅においては2025年4月の省エネ基準適合義務化を待たず、省エネ基準適合を住宅ローン減税の必須要件とすることで、事実上制度の開始を前倒ししたことになります。

   この背景には2050年のカーボン・ニュートラル実現、および2030年までに温室効果ガスの排出26%削減(2013年度比)に向けての施策が遅々として進まず、現状では温室効果ガスの削減が目標を下回っていることが挙げられます。

   ちなみに、住宅・不動産分野での温室効果ガス削減目標は、2021年に早くも見直され、新築建築物・住宅の省エネ性能の向上を根拠として、2割増の約889万キロリットルと設定されました。

   シェアも約6240万キロリットルという総削減目標の14.2%に2ポイントほど増えていますから、その意味でも、新築住宅の省エネ性能の向上は「待ったなし」の状況にあるといえるでしょう。

   少なくとも国の危機感が伝わってくる数値の拡大であることは確かです。

中山 登志朗(なかやま・としあき)
中山 登志朗(なかやま・としあき)
LIFULL HOME’S総研 副所長・チーフアナリスト
出版社を経て、不動産調査会社で不動産マーケットの調査・分析を担当。不動産市況分析の専門家として、テレビや新聞・雑誌、ウェブサイトなどで、コメントの提供や出演、寄稿するほか、不動産市況セミナーなどで数多く講演している。
2014年9月から現職。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任する。
主な著書に「住宅購入のための資産価値ハンドブック」(ダイヤモンド社)、「沿線格差~首都圏鉄道路線の知られざる通信簿」(SB新書)などがある。
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