楽天モバイル、悲願の「プラチナバンド」10月中にも承認見通し 赤字脱却へ契約者増なるか...「楽天ならでは」の差別化が課題

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「つながりにくい」イメージ払拭には時間がかかる? ソフトバンクやKDDIは迎撃態勢を強化

   プラチナバンド獲得という悲願がようやくかなう見通しになったが、それだけで契約が伸びる保証はない。

   NTT、KDDIに対し後発という今の楽天と同じ立場だったソフトバンクがプラチナバンドを獲得したのは2012年だが、「それまでの『つながるエリアが少ない』というイメージを払拭するのに何年もかかった」(業界関係者)と言われる。

   楽天も同様に「つながりにくい」というマイナスイメージを覆すのに時間を要するかもしれない。

   実際に割り当てられる見込みの帯域は狭く、黒字化に必要な1000万件近くまで契約数が増えた場合、混雑して通信環境が悪化する可能性もあり、プラチナバンドのさらなる獲得に向けた取り組みも引き続き必要になる。

   いずれにせよ、他社と同じようにつながりやすくなったとして、そこから楽天ならではのメリットをどうアピールできるかがポイントになる。

   楽天モバイルは新規参入当初、低料金プランで挑んだが、NTT以下の大手も総務省に背中を押される形で低料金プランを提供する状況のなかで、差別化は簡単ではない。

   楽天と言えば楽天市場を軸にカード、銀行、証券といったグループの金融サービスを含む総合サービスを提供し、全体をポイントで繋ぐ「楽天経済圏」を推進しており、携帯事業がその最後のワンピースという位置づけだ。

   ただ、ソフトバンクやKDDIも、グループの金融サービスを利用するとポイント還元が増えるなど、「経済圏」を意識した料金プランを開始するなど楽天への迎撃態勢を強化している。

   楽天Gを率いる三木谷浩史会長兼社長はどのような斬新なサービスを打ち出すのか、次の一手が注目される。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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