「迷走」東芝 ようやくTOB成立、年内にも上場廃止へ...待ち受ける巨額の融資返済、「物言う株主」決別後も険しい再建への道

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冷ややかな産業界の反応 「名門どころか、いまや二流企業」?

   しかし、産業界の反応は冷ややかだ。なぜか? 事情通はこう解説する。

「経営危機が続いた東芝は稼ぎ頭だった半導体メモリーや白物家電など主力事業を次々と売却してきた。いま残っている事業はどれも小粒。東芝の経営がパッとしないのは、物言う株主の責任ではない」

   東芝の2023年3月期間の売上高は約3.4兆円。不正発覚前の15年3月期から半減した。収益力も他の電機大手に比べ見劣りしている。「東芝は名門どころか、いまや二流企業」(事情通)なのが実情だ。

   そればかりではない。TOBも今後、経営の重荷となってのしかかってきそうだ。

   米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは9月25日、TOB成立を受け、東芝の長期発行体格付けを「ダブルBマイナス」へと2段階引き下げたと発表した。

   S&Pが問題視したのは、TOBのスキームだ。

   JIP陣営による買収資金は約2兆円。このうち1兆2000億円は、銀行団からの融資で賄っている。この融資の返済は今後、東芝自身が負うことになる。東芝の財務状況が大幅に悪化するのは確実だ。

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