人生においてほとんどの人は「あなたに必要ない人」
コメディケーションについて理解が深まったところで、今度は中北さんの著書『神雑談力』について聞いてみた。
――コメディケーションの手法をまとめた「神雑談力」の最大のテーマは何でしょうか?
中北さん 「破滅思考」に陥るのを、いかにして避けるかということです。
――「破滅思考」とは何でしょうか?
中北さん 世の人々の多くは、「人から嫌われたくない」といった思いが原因で「好きでもない人」「関わらなくても良い人」に対して、無自覚にムダな時間をかけてしまっているように見受けられます。その結果、本来なら悩まなくていいことで時間を奪われ心が疲弊し、最悪の場合はメンタルがやられてしまう......これが「破滅思考」です。
――ずいぶん、自滅的な思考ですね。
中北さん これが解消されれば、世の中はもっと幸せになるのではないでしょうか。それに関連してもう1つ、「人間関係の断捨離」をもっと意識すれば、やはり、今よりも幸せになれるでしょう。
人類学者のロビン・ダンバーによれば、人間が関係を構築できる人数は最大で150人程度であり、無限に拡大できるものではないというのが通説となっています。ダンバー数と呼ばれています。なので、自分にとって必要ない人は、やはり切り離していった方が合理的です。
――人間関係の断捨離、ですか。
中北さん そうです。文字通り、「人生においてほとんどの人はあなたに必要ない人」であることに気づくべきなのです。たとえば、ご自身の人生を振り返ってみて、自分に利益をもたらすように思える――それこそ、お金持ちに近づいてみて、何かいいことはあったでしょうか......。おそらく、そんなことはほとんど起きていないはずです。それは当たり前のことで、近寄られた側はすぐにその下心に気づくからです。
――たしかに、近寄られた側からすれば迷惑でしかないですよね。
中北さん ゆえに、やはり、ほとんどの人はあなたに必要ない人だといえそうです。そんなことをするよりも、「自分を大切にしてくれる人を大切にしていく」ということをやるべき。だからこそ、それ以外の関係は断捨離することをおススメします。
――当たり前のことを当たり前に、ということですね。