キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を開発・運営するライボ(東京都渋谷区)は2023年10月2日に、717人の社会人男女を対象にした「2023年 副業・兼業の実態調査vol.2」の結果を発表した。
調査によると、副業経験者の副業のみの平均年収額は326.8万円、中央値は294.0万円という結果が出ている。また、理想の副業での年収は453.6万円となっており、理想額とは126.8万円の差が出ている。
さらに、副業未経験の人にどんな変化があったら副業を始めたいかの質問では、「本業に余裕ができたら」で42.4%、「プライベートの時間に余裕が出たら」が39.5%、「会社の規定が副業解禁になったら」では31.9%となった。
副業を始めるにはタイムマネジメントをしっかりして、副業に充てる時間を作ることが必要なようだ。
副業経験あり32.1% 副業のきっかけ...「本業から得る収入への不安」47.0%、「本業へのやりがいを感じづらかった」27.8%
この調査は2023年9月6日~11日、現在職を持つすべての社会人で「JobQ Town」に登録する全国の20代から50代までの男女717人(内訳:男性6割、女性4割)を対象に、インターネットで行なった。
はじめに、本業の満足を聞くと、「とても満足している」が「16.6%」、「満足している」が「26.1%」、「どちらかと言えば満足している」が「35.3%」で、「満足している人」の合計は「78%」となった。
続いて、現在の年収について質問した。現在の年収の平均は570.6万円となり、中央値は550.0万円、最頻値は600万円だった。
さらに、理想の年収を聞くと、平均は769.2万円、中央値は600.0万円、最頻値は600万円で、現在の年収と理想の年収のギャップは198.0円あることがわかった。
つぎに、副業の経験の有無を聞くと、経験ありは「32.1%」。年代別では、30代が「36.3%」、40代が「34.3%」で平均値を上回っている。
また、副業経験ありの人(n=230)に副業のきっかけと目的を聞いた。きっかけは、「本業から得る収入への不安」が最多で「47.0%」、次いで「本業へのやりがいを感じづらかった」が「27.8%」、「将来への漠然とした不安」が「18.3%」で上位に並んだ。
ちなみに、副業の目的は「収入源の確保」(64.8%)、「キャリア形成・スキルアップ」(25.7%)、「暇つぶし/趣味」(20.9%)が上位に並んだ。
職場で副業の話題は「出しにくい」56.2% 副業していない人は「副業に興味あり」83.8%
では、本業の他に副業をしている人はどのくらい収入があるのか。副業経験のある人(n=230)に、副業だけの年収額を質問すると、平均は326.8万円、中央値は294.0万円、最頻値は600万円という結果になった。理想の年収である453.6万円とは、126.8万円の差があった。
副業を会社で許されているかどうか聞くと、「(副業が)許されている(条件なし)」が「29.6%」、「許されている(条件あり)」が「38.9%」、「許されていない」は「31.5%」。
また、職場での副業の話題は出しやすいかを聞くと、最多は「まったくそう思わない」が「25.8%」だった。「そう思わない」(17.6%)、「どちらかと言えばそう思わない」(12.8%)を合わせて「職場で副業の話が出しにくい」考えの人は「56.2%」に及んでいる。
副業をしていないと回答した人(n=487)人には、副業に興味があるか聞くと、「とてもある」(31.4%)、「ある」(26.7%)「どちらかといえばある」(25.7%)をあわせると、「83.8%」の人が副業に興味・関心を持っている結果が出た。
また、副業していない人に、どんな変化があれば、副業できるかを聞いた。最多は「本業に余裕ができたら」で「42.4%」。次いで、「プライベートの時間に余裕が出たら」が「39.5%」、「会社の規定が副業解禁になったら」では「31.9%」を占めた。
副業をしていない人たちから寄せられた声には、
・副業で悩みがあっても会社に内緒で副業をしているので社内の人に聞けないのが辛いです
・年収が上がれば税金も増えて結局会社にバレそうなので興味はあるけどやる気が失せてしまう
・このまま本業での賃上げを待つべきか副業で少しでも収入を得ておくべきか迷っています
などが上がっている。
今回の調査を受けて、調査元の「Job総研室長」の堀雅一氏は、次のようにコメントを寄せている。
「副業をしていないと回答した人の83.8%が副業に『興味がある』と回答しており、本業やプライベートに『余裕が出たら』や『会社が副業解禁になったら』副業ができるという回答が多数でした。しかし全体の31.5%が副業を会社で『許されていない』と回答しており、さらに56.2%が職場で副業での話題を『出しにくい』と回答しています」
「慢性的な物価高や円安で賃金が上がらぬことを背景に副業を始める人や副業に興味を持つ人が多い一方で、副業人口がわずかな状況、且つ職場での話しにくさを感じる人が多いことから、本業の繁忙や規定が重石となり副業で収入ギャップを埋めることも叶わぬ状態であることが読み取れます。企業が賃金を上げることが困難な状況が続くのであれば、社会人の不安を払拭するためにも副業を解禁するなど制度による取り組みの必要性がわかる調査結果となりました」