「増税」イメージ払拭したい「首相の強い思い」説 就任当初から「財務省の代弁者」と揶揄され...
まったく別の見方もある。
「減税策の実施は解散・総選挙に向けた戦略というより、首相の強い思いがあった」
こう解説するのは官邸に近い関係者だ。
首相が率いる自民党の派閥「宏池会」は歴代、池田勇人、大平正芳、宮沢喜一ら大蔵(現・財務)省出身者を首相に送り出してきた歴史がある。
この流れを引き継ぐ岸田首相も就任当初から「財務省の代弁者」と揶揄されてきた。今から1年前、防衛費拡充めぐる財源確保策として増税案が浮上すると、SNSを中心に「岸田政権は増税政権だ」とのレッテル貼りが横行した。
岸田首相はこれを個人的にかなり気にしていたようだ。23年8月にメガネ姿の首相をからかった「増税メガネ」という言葉がSNSでトレンドワード入りした。これに首相が怒り、周囲に不満をぶちまけたとの報道もある。
新たな経済対策であえて減税に触れたのは、「増税」のイメージを払拭したい思いがある――そんな見方も根強い。