日本証券Gトップは、野村HDと大和証券G出身者が交代で就任 株価純資産倍率は4.7倍
日本取引所Gとは何か、をおさらいしておこう。
2013年に東京、大阪両証券取引所が合併して発足。傘下の東証が株式市場、大阪取引所が国債先物などのデリバティブ市場を担う。
2019年にはさらに、金や原油を扱う東京商品取引所を子会社化して「総合取引所」の体裁を整えた。
「東証理事長」といえば、かつては旧大蔵官僚の天下り先で、役所のような組織とされてきた。だが、いまや日本取引所Gは自らの株式を上場しており、そんなわけにはいかない。ちなみに、株式の取引所が上場企業であることは、世界的に珍しいことではない。
日本取引所Gのトップは、野村ホールディングス、大和証券グループ本社の出身者が交代で就いており、現在は野村出身の山道裕己氏が「グループCEO(最高経営責任者)」を務めている。
東証はPBR(株価純資産倍率)が1倍未満の上場企業に対してその数値を上げるよう対応を要請しているが、日本取引所GのPBRは現状4.7倍。
株主還元を強めた今回の増配発表ともあわせ、一応模範にはなっているといえるかもしれない。(ジャーナリスト 済田経夫)