書店には自己啓発の本があふれている。しかし、ロングセラーには、なにがしか人生や仕事についての真実が書かれているものだ。
本書「大きく考えることの魔術」(実務教育出版)も、そうした1冊だ。1970年以来版を重ねており、このたび、新装版が出た。「人生は小さくなっているには短すぎる」という英国の宰相ディズレーリの言葉をモットーに、さあ行動しよう。
「大きく考えることの魔術」(ダビッド・J・シュワルツ著、桑名一央訳)実務教育出版
著者のダビッド・J・シュワルツさんは、米国ジョージア州立大学経営管理学部教授。専門は経営組織、マーケティングなど。訳者の桑名一央さんは、日本評論社、ダイヤモンド社を経て、ビジネス社を創立。
「それはほんとうに重要なことだろうか」
本書のエッセンスを一言で表すと、「仕事、人間関係、お金、家庭、社会的地位、幸福度はすべて考え方の大きさで決まる」ということだ。
「成功できると信じよう」「弁解するのはやめなさい」「自信を持ちなさい」など、13章からなる。
その中から、いくつかポイントを紹介しよう。
第4章「大きく考えなさい」では、大きく考えるために、次のことを忘れてはならない、と説いている。
1 自分を過小評価しないこと。自己軽視をやめる。あなたは、自分が考えているより優秀なのだ。
2 大きく考える人に特有の言い回しをすること。勝利、希望、幸福、満足を約束する言葉を使う。
3 あなたのビジョンを伸ばすこと。どうなっているかではなく、どうなりうるかを考える。
4 あなたの仕事について大きな視野を持つこと。現在の仕事の重要性をまじめに考える。
5 ささいなことにこだわらないこと。「それはほんとうに重要なことだろうか」と自分自身に問いかける。